吉本興業の重鎮・西川きよしが、生放送に遅刻したことがある。ナインティナインの岡村隆史によると、
「『遅刻しまして、本当に申し訳ありません!』って謝罪しはってん。そこから番組が普通に続いていくねんけど『きよしさん、どう思われますか』ってカメラ、パッて振られて『すみませんでした!』って。『いやいや、きよし師匠、そうやのうて、これについてどう思いますか』ってカメラが振られたら、また『すみませんでした!』って」
ずっと謝罪を繰り返したそうだ。
その後、ゲスト出演したラジオ番組でも「今日のゲストは、西川きよしさんです」と紹介されると「すみませんでした!」「なに謝ってるんですか」というやり取りがあった。遅刻していないラジオ番組でも謝り続けたのである。
明石家さんまはその昔、萩本欽一に「さんまちゃん、ゴルフやろうよ」と誘われ、3時間も遅刻してしまったことがある。さんまが振り返る。
「誘われたのが、もうすごく嬉しかったんですよ。家を早く出たんですけど、大渋滞で動かないんですよ。もう30分で1メートルみたいな。それでジミー(大西)が慌てて、なぜかUターンしてしまいまして。『なんでや、お前』『早く行こうと思って』って。それでまたUターンして元へ戻って。また何百メートルか遅れてしまうっていう」
大先輩を待たせたさんまだが、萩本はその言い訳が面白かったら喜んでくれる人だと知っていた。
「普通に『すみません、遅れまして』って言うたら、お笑い芸人としてアカンわけですよ。もう、どうしようって考えて、車の中でゴルフウェアに着替えた。大将(萩本)が待ってるレストランに行って『何してまんの。3時間、待ってまっせ』って言うた。それで笑ってくれてOKっていう」(さんま)
どうにかことなきを得たのである。とはいえ、
「大将を3時間待たせたっていうので、いまだにトラウマになってて」
ちなみにかつて「おばけが出た」として番組収録をズル休みしたビートたけしは、最近では遅刻する前に断りを入れるという。ナインティナイン・岡村がたけしとゴルフに行くことになり、楽しみにしていると、予定の2日前にキャンセルになったという。
「たけしさんが『お腹痛くなりそうだ』という連絡がありまして。『えっ、お腹痛くなりそう?』って思いましたけど…」
岡村はそう言って嘆いていた。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。