「青春18きっぷ」の変更が発表されたのは、10月24日のことだ。それからわずか1週間あまりで、今度は別のものが「改悪」されていた。
それは駅のホームで鳴らされる「発車メロディー」だ。SNSでは東京駅の京葉線ホームや横須賀線ホーム、横浜駅の東海道線ホームの発車メロディーが新しいものへと変更されたと報告されている。
聞きやすく耳に残る美しいメロディーであればなんら問題はないのだが、鉄道ファンの反応はさんざんで、
〈こんな不協和音みたいなメロディーはやめてほしい。聞くと不快感しかない〉
〈明らかに改悪。素人が作ったような曲〉
実際に聞いたという鉄道ライターも、首をかしげてこう話す。
「流れるようなメロディーにはほど遠く、転調を繰り返すブツ切りの曲。SNSで言われているように、不協和音という言葉がぴったりです。わざと不快なメロディーにして、利用者に注意喚起しようとしているのかもしれません。発車メロディーは定期的に変わることがあるのですが、なぜこんな感じになったのか…」
不快な音は発車メロディーの存在意義をひっくり返すものであると、鉄道ライターは続けて不満を漏らした。
「列車の発車を知らせるのに、以前はベルが用いられていましたが、耳障りでうるさいと不評だったので、発車メロディーが用いられるようになりました。そんな発車メロディーは利用者に受け入れられ、今ではCDになったり音楽配信サイトで公開されて、広く聴かれています。それなのに新しい曲は耳障りで、わざわざ聞くような気持ちにはなれません。これではなんのための発車メロディーなのか」
SNSでは早くも「発車メロディーを元に戻す署名をしよう」という声が上がっている。JR東日本は利用者の声に耳を傾けてはどうか。
(海野久泰)