当たり前だが、どこの世界でも遅刻には厳しい。もちろん、芸能界も例外ではない。最近、オズワルトの伊藤俊介は遅刻が多すぎて、吉本興業から謹慎を命じられ、定期的に開催しているお笑いライブに出ることができなかった。
かつてオードリーの春日俊彰は収録現場に遅刻し、マネージャーに「社会人としてどうなんだ」とこっぴどく怒られ、土下座して謝罪したことがある。大勢のスタッフを待たせてはいけないのだ。
その一方、逆ギレ風情の芸人もいる。若い頃のダウンタウン・松本人志は言い訳すらせず「遅刻して何が悪い」という態度で臨んでいた。
「大阪で『4時ですよーだ』っていう夕方4時の生放送をやってたんですけど、目覚めたら『5時ですよーだ』でしたからね。30分遅れたら『30分? 明日はこんなもんやと思うなよ』って」
松本本人はそう振り返っている。その一方では、こんなホンネも。
「心の中には申し訳なさがやっぱりあるんですよ。その代わり、めちゃくちゃ頑張りますよ、遅れてきた日はね。遅れてきてつまんないんじゃ、どうしようもないですからね」
相方の浜田雅功の遅刻の言い訳も、大物らしさ全開だ。買い物をするロケで10時集合のところ、11時半にやってきたという。ウーマンラッシュアワーの村本大輔によると、
「デパートの5階でカメラのクルーたちが待ってるんですけど、ディレクターさんがインカムで下と連絡取り合ってて。『浜田さん、今から上がられてます』って。浜田さんがエスカレーターでグーッと上がって来た。それでみんな『おはようございます!』って。ほんなら『ごめん、ごめん。パンケーキ焼いてたんや』ってね、冗談で言うんですよ。ほんならディレクターが『それはさぞかしおいしいパンケーキなんでしょうね』と」
結局、押しで収録が始まったものの、浜田はスケジュール通りの時間にきっちり終わらせたという。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。