スポーツ

【日本シリーズ事件③】「出入り禁止」処分のフジテレビがビールかけ会場に入れた「特別な理由」

 横浜の夜空に、DeNAの三浦大輔監督が5度、宙に舞った。11月3日のシリーズ第6戦。三塁側関係者入り口には防水対策をした報道陣が「その時」を待っていた。テレビ局スタッフが、この日の舞台裏を詳報する。

「彼らはその後、スタジアム内にある室内練習場へ行き、ベイスターズの日本一を祝したビールかけ取材に赴く取材陣でした」

 ご一行をよく見れば、シリーズ初戦から日本野球機構(NPB)に取材パスを取り上げられて「出入り禁止処分」を食らっていたフジテレビの面々が。「すぽると!」MCの松﨑涼佳アナの姿もあった。

「カメラクルーと一緒に球場へ駆けつけていましたが、彼女が今回の日本シリーズを取材するのはもちろん、初めてのことです」

 日本シリーズと同じ日に始まったメジャーリーグ・ワールドシリーズの放送権を、フジテレビはたまたま取得できた。そこで全試合生中継と、ハイライト番組を制作することに。ところがこのハイライト番組を、日本シリーズの裏番組として編成してしまった。NPBからすれば、足を引っ張られたという認識で「絶対に許さない」と大激怒したのである。

 かくしてフジテレビはNPBから「取材アクセスパスを回収する。今後の日本シリーズ取材は全てお断りします」と一方的に通告されたのである。

 とはいえ「出禁処分」のはずなのに、どうして球場を堂々と歩けたのか。

「試合はNPBが全て取り仕切っていますが、終わってからの優勝会見、ビールかけはDeNAが主催のため、『主催者推薦枠』でなんとか入れたようです。11月11日になって、NPBはフジテレビに対し、今後の協力体制への認識を深めるべく話し合いに応じるよう求め、これをもって出入り禁止は解かれることになりました」

 とはいえ、ピリピリムードはしばらく続くことだろう。

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