古今東西、世界には様々なな未知の生物、つまりUMAが存在するといわれている。詳細な調査や分析がなされていないからこそ、未確認生物と呼ばれているわけだが、カナダには論文まで発表されたUMAが存在する。それが「キャドボロサウルス」こと、「キャディ」と呼ばれるものだ。
キャディはカナダのバンクーバー島沖に生息しているとされ、馬面で体長は最大20メートルに達する、ヘビ状の生物。背中にはコブのような突起があり、2つに分かれた尾びれが特徴である。
実はこのキャディ、1900年代初頭からの目撃談はすでに160件以上。ただ、非常に憶病な性格で、人影を見るとすぐに水中に身を隠してしまうため、動きのある姿を捉えた映像はない。
1947年には、波打ち際に打ち上げられたキャディらしき生物の死骸が発見され、その際に撮られた写真を見ると、ところどころ骨が露出。全身の腐敗が進行してはいるものの、目撃者の証言通り、馬面で蛇のような長い体が確認できる。
このキャディらしき死体は、さっそくシカゴの博物館へ船便で輸送され、詳細な分析が行われることになった。ところが輸送途中なのか、あるいは博物館に到着後かは不明ながら、なぜか忽然と姿を消したのである。
その後、1968年には地元漁師が60センチほどの、キャディの幼生らしき生物を捕獲。しかし不憫に思い、スケッチした後で海に帰してしまう。1970年から1980年代に入ってからも、キャディらしき生物の目撃談は相次いだ。
それらの情報をもとに、海洋生物学者のポール・レブロンドと動物学者のエド・バウスフィールドが1992年12月、アメリカ動物学研究会において、「キャドボロサウルス」という名称で論文を発表。バンクーバー島沖にはキャディの繁殖地があり、複数のキャディが周辺海域に棲息している可能性が高い、と記されていた。
UMAについて海洋生物学者と動物学者が共同で論文を大真面目に発表するなど、前代未聞の事態。研究家の間ではネッシー以上に、その確保が期待されるUMAとして知られている。
(ジョン・ドゥ)