ワイドショーやスポーツ紙の1面が連日、大谷翔平ばかりでうんざり。そこで、日本プロ球界の事情通を集めた匿名座談会を緊急開催。シーズン中には聞こえてこなかった現状を日本一球団の打線のごとく連弾で、洗いざらい語り尽くしてもらった。
A(スポーツ紙デスク) 海外から国内に至るまでFA市場が盛り上がりを見せている。中でもロッテの佐々木朗希(23)は念願のポスティング移籍が球団に認められた。
B(民放局ディレクター) これには驚かされました。なんせ、25歳未満の選手はメジャー契約が結べないルールがありますからね。マイナー契約だと譲渡金も最大で3億円弱しか望めません。ロッテもあと2年待たせられれば、オリックスがドジャース・山本由伸(26)で得た約72億円相当の金額が望めたでしょうに‥‥。
C(球界関係者) どうにも、メジャー移籍後の佐々木関連のCM出演料を球団と折半する案が出されているらしい。まさに今オフ、佐々木と同じ大手広告代理店を後ろ盾とする山本が「仮想通貨取引所」のCMに起用されていることも後押ししているようだ。MLBに移籍すれば今以上に広告案件の引き合いも増えるだろうから。
B 激安で渡米されても、当面の間は〝朗希マネー〟で球団が潤う算段なわけですね。
D(スポーツライター) 「ロート製薬」や「プレナス」のCMなど佐々木関連の現スポンサー収益は、球団の売上の半分近くを占めているとも言われる。それでも佐々木サイドからすれば「将来のアメリカンドリームに比べたら微々たる金」という認識なのでしょう。
E(球界OB) 世間的には、佐々木がワガママを押し通したように映るかもしれない。ただし、同情せざるをえない事情もあるんだ。
C そもそもロッテ入団は、メジャー志向の強かった佐々木にとって本意ではなかったんだよな。ドラフト前にスカウトたちを集めて「楽天、日本ハム、西武を希望しているので、東京の球団は指名を見送ってください」と懇願していたほど。それを聞いて西日本の球団も指名を回避したのに‥‥。
D ロッテ側が初動対応を誤ったとも聞きました。指名挨拶に赴いた、当時の永野吉成チーフスカウトと松本尚樹本部長が佐々木から「どうしてお断りを入れたのに指名したんですか?」と質問されて、「佐々木君、千葉は東京じゃないんだよ」と返答したらしい。完全にロッテが佐々木をナメていました。
E だから母親が知り合いの弁護士に代理人を依頼したんだ。細かく契約書もチェックしていて、トークショーなど野球以外のイベントに呼ぶ場合は、球団ではなくその代理人を通さなくちゃならなくなった。
A 1年目の1軍帯同にも、代理人がクレームを入れていた。球団側は一度も登板させない体作りのシーズンだと考えていたが、「試合勘が薄れる」と口うるさかったらしい。
E その「物言い」を気にしてか、吉井理人現監督(59)を含む首脳陣は佐々木とロクにコミュニケーションが取れていなかった。結果、首脳陣に右に倣えで、選手たちも気軽に会話できる雰囲気ではなくなったんだ。
C 22年にバッテリーを組んでいた松川虎生(21)は数少ない理解者だったけど、昨季からファームにどっぷり。孤立を深める佐々木にとって、ロッテは〝生き地獄〟だっただろうよ。