政治

山本太郎「失われた30年を取り戻すために‥‥」/テリー伊藤対談(2)

テリー 今回の衆院選を総括していただきたいんですけど、議席数が3から9に増えましたよね。もう立派な、大きな政党ですよね。

山本 いやあ、まだまだです。今回で2ケタ台に乗せられれば、状況はもうちょっと違ったかなと思いますけど。

テリー どう違ったの?

山本 やっぱり713人いる国会の中で(衆参合わせて)14議席というのは非常に小さな勢力なので、せめて20議席ぐらいあれば。早く中規模政党になりたいという思いはずっと持ってます。

テリー 国民民主党が議席を28に増やして注目されてるじゃないですか。あれはどう見てるんですか。

山本 ポジション的には最高ですよね。キャスティングボートを握れた。ほんとだったら「103万円の壁」だけじゃなくて、「消費税減税」も勝ち取れるんじゃないかなと思います。国民民主党にその意思はなさそうですけど。非常にいい立場なんだから、この経済不況を打開するところまでもっと踏み込んだ政策を出せばいいのにと思います。

テリー れいわ新選組は消費税廃止の立場ですよね。

山本 「廃止」もしくは「最低でも5%に減税」です。今すぐ私たちが廃止にできるわけではないので、その前に「5%に減税」という動きがあるなら、賛成したいと思ってます。

テリー 改めて、何で消費税廃止なんですか。

山本 私たちがずっと言い続けているのは「失われた30年を取り戻そう」ということです。ご存知のように、この国の経済は、この30年で弱り切ってしまったんですよ。で、その間に何が起きたかと言えば、日本人6人に1人が貧困、高齢者5人に1人が貧困、一人暮らしの女性4人に1人が貧困、シングルマザーやシングルファーザーのひとり親世帯2つに1つが貧困という状況です。一方で大企業は過去最高益を続けていて、どんどん格差が開いてるんですよ。

テリー 消費税を廃止すれば、それが変わる?

山本 そう思います。消費税はモノを買うたびに取られる税金ですから、ただでさえ不景気で個人消費が落ちてるのに、さらにブレーキがかかってしまう。消費税が5%、8%、10%と上げられるたびにリーマン・ショックの時よりも大きく個人消費が落ち込んでいて、いまだに回復してないんです。景気が悪い時に、他の国は多くが減税。消費税なんか上げたら絶対ダメなんですよ。そんなバカな国、世界で日本だけなんです。

テリー それはそうだ。

山本 個人消費が落ちると、投資も落ちます。モノが売れないのに、新しい機械を入れる、工場を大きくする、従業員を増やす、そんなことをする企業はありませんから。つまり、個人消費が落ちて、投資も落ちた、この両方が落ちた状況を回復させる必要があるわけです。

テリー どうするんですか。

山本 GDPを見たら一番わかりやすいんですが、個人消費が5割以上を占めるんです。要は、この国の景気をよくするための一番のエンジンが個人消費を増やすこと。みんなが使えるお金を増やして、購買力を上げないと景気は上向かないです。

テリー よく「消費税をなくしたら社会保障はどうするんだ」って言いますよね。

山本 そうですね。でも、社会保障の一部にしか使われてないですから、実はあまり関係ないです。「消費税は社会保障の財源です」っていうのは後付けで、ほとんどは減税した大企業の法人税の穴埋めです。どうして消費税をやめないのか、そして増税を続けるのかと言ったら答えは簡単で、組織票と企業献金とのバーターです。自分たちの議員バッジを守る、保身のために、国内を弱らせてでも大企業に利益を差し上げるっていうことを、ずっと続けてきてるんですね。

ゲスト:山本太郎(やまもと・たろう)1974年、兵庫県生まれ。1991年、高校1年生時に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の「ダンス甲子園」に出演し、芸能界入り。2011年の東日本大震災の後に反原発活動を開始。2013年、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬し当選。以降、政党「生活の党と山本太郎となかまたち」などの共同代表を経て、2019年4月、「れいわ新選組」を旗揚げ、代表を務める。2021年、衆議院議員選挙に東京ブロックより出馬し当選。2022年、参議院議員選挙に出馬するため衆議院議員を辞職。同年、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬し当選。原発問題、被曝問題、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、人々のための経済政策、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。

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