総合格闘家の朝倉海が12月8日(日本時間)に、世界最大の格闘技団体UFCのデビュー戦で日本人、そしてアジア人男性初のタイトル獲得を目指し、フライ級王者アレッシャンドリ・パントージャに挑んだが、2Rに裸絞めで一本負けを喫した。
朝倉は翌日、Xとインスタグラムを更新。当日の会場の写真とともに、
〈たくさんの応援ありがとうございました 結果で返せなくて申し訳ないです 素晴らしいチャンピオンだった そして自分がまだ弱かった〉
と綴って悔しさをにじませた。続けて再挑戦を誓ったのである。
〈今回は届かなかったけど 必ず這い上がってチャンピオンになる 今までもそうしてきたしできるまでやり続ける 強くなって戻ります〉
朝倉はRIZIN王座を獲得したこともあり、デビュー戦としては破格のギャラ。その上、メインイベントでのタイトルマッチという超VIP待遇だった。しかし、本来の階級である1階級上のバンタム級は「レベチ」ゆえ、フライ級に下げることに。格闘技関係者が言う。
「パントージャは強すぎたとはいえ、UFC側も勝算がなければタイトルマッチを組まなかっただろう。UFCはRIZIN王者を潰してマウントを取ることに成功しましたね」
RIZINは来年で10周年を迎えるが、今年の大晦日は午前10時開始の3部制でイベントを開催。年越しのカウントダウンも行うというから、イベントの最初から入場していた場合、滞在時間は14時間にも及ぶ。
「すでにカードは続々と発表されていますが、チケットの売れ行きがイマイチのようですね。それもそのはずで、最前列の55万円を筆頭に、アリーナに座りたかったら最低でも5万5000円。スタンド最安値の席が1万6500円です。朝倉海と、海の兄の朝倉未来も引退で出場せず、格闘技マニア向けのカードが多い。確実に人気が下降している中、海のUFCでの敗戦でRIZIN王者の権威が大きく揺らぎ、深刻なダメージを受けました。新たな日本人のスター選手が生まれないと、今後の興行は厳しいでしょうね」(格闘技担当記者)
多くの格闘技ファンのためにも、PRIDEのような末路になるのは避けてほしいものだ。
(高木光一)