そういえばあの人はいったい、今回の判決をどんな気持ちで受け止めているのだろうか。12月12日に和歌山地方裁判所から出された「紀州のドン・ファン死亡」をめぐる結末である。
和歌山県の資産家で「紀州のドン・ファン」の異名を持つ会社社長・野崎幸助さん(享年77)に覚醒剤を摂取させて殺害したとして、元妻の須藤早貴被告が殺人罪などに問われていた。が、裁判所が出した結論は「元妻が殺害したとするには合理的な疑いが残る」。そして無罪を言い渡したのである。
無期懲役を求刑していた検察は、敗北。弁護側は「薄い灰色を何回塗り重ねても黒にはならない」として、状況証拠を積み重ねるだけの検察に対し、その不十分さを強調して徹底抗戦。裁判員裁判だったこともあり、無罪判決が下された。検察が控訴した場合、今後はどう争うのかが注目される。
「結局、須藤被告がどうやって覚醒剤を野崎さんに与えたかを立証できないまま。検察側からすれば、無期の求刑での無罪判決は大失態です。和歌山県警の捜査能力も大いに関係していますが、上告してまたまた検察側が赤っ恥をかかされるかもしれない」(全国紙社会部記者)
野崎さんは2016年発売の、自らの半生を描いた「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男」(講談社刊)で一躍、その存在が知られるようになった。2018年2月に55歳下の須藤被告と結婚した際は大きな話題になったが、結婚からわずか3カ月後に悲劇に襲われた。
須藤被告以外に、少なくとも2人の女性との結婚歴があったが、いずれも夜職の女性。交際相手を見渡しても、モデルや夜職が多かったようだ、そのうちのひとりは野崎さんが自ら暴露した、メディアが大いに注目した存在だった。
その交際相手はミスコンの日本代表ファイナリスト経験がある元美人アスリート・Aさん。9頭身の美女で、野崎さんと親交がある女性有名人も、ブログで交際の事実を暴露していた。
野崎さんによると、Aさんがまだ稼げずに交際クラブに所属していた2011年に出会ったという。野崎さんは超強力なタニマチだったが、Aさんが売れてどんどん大手スポンサーが付くと、自然に離れてしまう。
「野崎さんは家政婦に、復縁をとりもつよう頼むなど、かなり執着していたのだとか。野崎さんによる暴露はAさんの現役時でしたが、特に活動に影響はなかった。ただ、その頃からアスリートとしての戦績は振るわなくなり、その後に引退。引退後はSNSを更新していないので、近況は近い人間しか知らないでしょう」(週刊誌記者)
Aさんの声をぜひ聞きたいものだが…。
(高木光一)