吉高由里子が主演したNHK大河ドラマ「光る君へ」が12月15日、最終回を迎えた。吉高演じる紫式部(まひろ)と、藤原道長(柄本佑)の関係を中心に描かれたこのドラマの全48話の平均世帯視聴率は、関東地区で10.7%、個人視聴率は6.2%だった。
松本潤が主演を務めた昨年の大河ドラマ「どうする家康」の平均世帯視聴率11.2%を0.5ポイント下回り、歴代最低視聴率だった2019年の「いだてん~東京オリムピック噺~」(主演・中村勘九郎、阿部サダヲ)の8.2%(世帯・関東)に次ぐ、歴代2番目の低視聴率となってしまった。テレビ誌ライターが解説する。
「大河ドラマで人気作の多い戦国時代・幕末とは違い、平安中期の貴族社会が舞台。有名武将ではなく女性作家が主人公という点で、既存の大河ファンの興味を引けなかった面は否定できません。史実と大きく異なった脚本も物議を醸しました。大河ドラマとしてはチャレンジングなものでしたが、視聴率的には結果が出なかった。とはいえ視聴者のドラマの鑑賞の仕方はこれまでとは変わりつつあり、配信で見る層が増加している。NHKプラスでの平均視聴数は歴代大河で最高を記録しているので、そこまで悲観する結果ではないのでは」
ただ、今後に向けて気になる「傾向」がある。平均視聴率は2021年の「青天を衝け」以降、4作連続で前年を下回っており、下落傾向に歯止めがかかっていないのだ。
1月5日に初回が放送される2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した版元・蔦屋重三郎を横浜流星が演じる。
「戦国でも幕末でもない時代で、武将でもない、一般には名が知れているわけではない主人公。大河ドラマのメイン視聴者は中高年層ですが、人気俳優の横浜を配したことで、若年層を取り込んで視聴率をアップさせることができるか、注視したいと思います」(前出・テレビ誌ライター)
配信の視聴数が伸びるかどうかも含め、期待と不安が入り混じるのだ。
(石見剣)