「紀州のドン・ファン」と呼ばれた実業家の野崎幸助さんを殺害したとして、殺人罪に問われている元妻・須藤早貴被告が、久しぶりに公の場に姿を現した。野崎さんとは別の男性A氏から2980万円を騙し取ったとする詐欺罪の公判が5月27日、和歌山地裁で開かれた。
被告人質問で須藤被告は、2015年から翌年まで、A氏から学費名目で毎月50万円をもらっていたと明らかにした。このA氏については、
「キャバクラの客だったが、愛人みたいな関係だった」
と証言している。社会部記者が言う。
「札幌で生活していた10代の時からカネ使いが派手で、勤めていたキャバクラの客に貢いでもらい、海外旅行やブランド品購入をしていたといいます。上京してからは、パパ活やセクシー映像出演等で稼いでいました」
そんな時に「交際クラブ」で出会ったのが、数十億円以上の資産を持つ「紀州のドン・ファン」だった。55歳という年の差を乗り越え、2018年2月に結婚したが、その3カ月後の5月、野崎さんが寝室で亡くなっているのが見つかった。
当時、防犯カメラの映像などから、家にいたのは野崎さんと須藤被告の2人だったと絞り込まれたが、捜査は難航する。
「なにしろ状況証拠しかありません。そうした事情もあって争点がわかりづらく、野崎さんの事件の裁判は始まる目途が立っていません。須藤被告サイドの弁護士の主張によっては、無罪を勝ち取る可能性もあります。そうなれば、須藤被告には野崎さんの遺産の一部、約6億5000万円を相続する権利が発生します。有罪になればもちろん0円ですが、こちらの行方も気になるところ」(前出・社会部記者)
どちらの事件も徹底的に争う構えの須藤被告。今後、殺人罪の裁判がどんな経過を辿るのかが、最大の焦点となる。
(田中晃)