テリー いろんな人生経験があったのに、それが全然顔に表れていないものね。
五月 でもお顔を少しいじって、若返っているような方を見ると、自分もちょっとやってみたいなと思ったりはしますけど(笑)。
テリー 整形される方、けっこういますよね。でも五月さんは一切必要ないよ。じゃあ、睡眠や食べ物にくふうしてるとか?
五月 食生活には気をつけていますね。私の実家はお肉屋だったんですが、ステーキのようなお肉のいい部分は、商売をしていると逆に食べられなかったんです。ところが歌手になって、旅先の汽車の中でステーキが食べられるようになって、とてもおいしくて。
テリー いいお肉は元気も出るしね。
五月 本当に大好きだったんですけど、苦労や嫌なことがいろいろと続いたある時、ふと考えたんです。「自分が大好きなものを、やめることができるかしら」と。とにかく1回やってみようと思って。
テリー あ、ステーキを絶つ方向にいったんだ。
五月 牛肉全てをやめたんです。すごくつらいんですよ、好きな食べ物を食べないって。
テリー 全部? じゃあ、すき焼きもダメだよね。
五月 コンソメスープもダメ。だしが牛なので。だからお料理を全部調べて、全て断ち切った。
テリー それはおいくつの時ですか?
五月 アメリカに行くちょっと前かな。35か36歳ぐらいの頃ですね。
テリー えっ、そんな昔から?
五月 そう。それが今まで続いています。今は香りをかげば、メニューに牛を使っているかいないかはすぐわかります。本当に好きだったからこそ、自分で決めて、食べないことを続けたんですね。
テリー 好物をやめることによって、何か得るものがあるという感覚だったのかな。
五月 そうですね。執着を断つというか。あとはお酒もやめました。昔はほんとに飲兵衛で。飲み始めたのは30歳からなんですけど。
テリー アルコールも!
五月 50歳でやめたの。30からだから、20年間でぴったりおしまい。楽しくていいお酒を飲んでいたんですよ。みんなにも喜ばれていたんだけど。
テリー それは想像できます(笑)。五月さんは酔うと脱いでくれそうだし。「おひまなら来てね」って。実際、脱ぐでしょう?
五月 チョロッと見せたりはあったかも(笑)。でもお酒の場にはいろんな人たちがいるのに、酔っ払っても嫌いな人には絶対に近づかないのが不思議ですよね。どれだけベロベロでも、自分が好きな男性側へ必ず行ってるという。
テリー 五月さんはよく口説かれるでしょう。
五月 そんなことはないです(笑)。とにかく、昔はよく飲んでいたんですね。でも50歳になった時に、ふと「こういうことをしてたら私はダメになるな」と思ったんです。そこでも「自分ははたしてお酒をやめられるかしら」と思って。牛肉をやめられたんだから、お酒もやっぱりやめてみよう、と。
テリー すごいなぁ。
五月 ただ、乾杯はやめたくないので、初めの一杯だけは今も飲みます。でも他は一切、飲まないんです。