「今、世界が高速化しているので、それこそハッサン選手のトラックの力くらいないと、通用しないだろうなと思います」
東京、パリと2大会連続でオリンピックに出場、5000メートルの日本記録保持者である陸上女子中距離界のエース・田中希実が、YouTubeチャンネル〈東海テレビ陸上部〉でフルマラソンへの思いを語ったのがコレである。
今夏のパリ五輪、女子マラソンで2時間22分55秒の五輪記録で金メダルに輝いたのは、シファン・ハッサン(オランダ)。驚くのはこの選手、5000メートル、1万メートルで銅メダルを獲得した後にマラソンに出場。女子で史上初めて、長距離種目で3つのメダルを手中に収めた。
去る10月14日、アメリカ・シカゴマラソンで、ルース・チェプンゲティッチ(ケニア)が2時間9分56秒で優勝。女子で初めて2時間10分を切る、驚異的な世界記録更新だった。これに刺激を受けた田中が続ける。
「2時間9分で走った選手も、おそらくトラックもある程度のレベルでは世界的に走れるはずだとは思うので、だからこそ、私もハッサン選手くらいトラックが走れるようにならなければ、安易にマラソンとかは今は考えられない。トラックでハッサン選手のレベルっていっても、今の私の立ち位置だとまだまだ難しい部分がたくさんあるので、そこをまずは埋めたいなと思いますね」
田中の母・千洋さんは、結婚前と結婚して希実を出産した後の2回、北海道マラソンで優勝した経験を持つ元アスリート。いずれ田中のフルマラソン挑戦を見てみたいと願う陸上ファンは多いことだろう。
(所ひで/ユーチューブライター)