人工知能(AI)を開発する中国の新興企業ディープシーク(深度求策)をめぐり、2人の「よういち」がX上でコメントしている。同社は「アメリカの業界をリードするモデルと同等か、それ以上の性能を低コストで実現した」としており、ロイター通信は「テクノロジー界の秩序を揺るがす脅威となっている」と伝えた。
ディープシークを評価したのはまず、元東京都知事の舛添要一氏。
〈開発にわずか2カ月、約560万ドル(約8億7000万円)で、この成果だ。半導体大手エヌビディアの株が急落。嫌中派は「嘘だ、騙されている」と反論するが、その愚かな態度こそ日本を没落させる〉
舛添氏は昨年暮れに訪中した。当初は習近平国家主席と会えるかもしれない、とのフレコミだったが、中国共産党序列6位の丁薛祥(てい・せつしょう)筆頭副首相と「面会」した。もっとも、舛添氏単独ではなく、国際会議に出席するために訪中した各国の政治家らと一緒だった。
ニュースチャンネル番組「ABEMA的ニュースショー」によると、舛添氏は滞在中、地下鉄や完全自動運転のタクシーなどを体験。
「AIがないとダメ。AIに全部、道などを覚えさせる。そしてセンサーの技術がものすごい」
「最新の電気自動車に乗ったが、ものすごい。とても日本の車は敵わない」
とコメントした。
これに対し、同じ「よういち」でも経済評論家の高橋洋一氏はXに、こう書き込んだ。
〈デイープシーク。某所からコメントを求めわれたが、オレはこの種のモノはキチンと調べわないとコメントできないんだ。ろくすっぽ知らないで言わないので悪しからず〉(原文ママ)
舛添氏のように礼賛はしなかったのである。自信家の2人だが、対照的な見解が実に興味深い。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)