社会

譲渡会イベントで質問が出た「隣の県」問題/ケイリン女王・高木真備の「保護ねこ生活」

 こんにちは、高木真備です!

 年が明けたのも束の間、あっという間に2月になりましたね。春まであと少し。寒さに負けず、頑張りましょう!

 先日、譲渡会イベントに来場されたお客様から、このような声が上がりました。

「自分の家から(保護猫の)団体さんが活動している地域が少し遠い。だからなかなか里親の申し込みがしにくい。もっと近くに団体さんはいないですか」

 実はこの日、隣の県からの団体さんが多く参加されていたので、里親になった場合にお客様の自宅からは県をまたがないとお迎えに行けない、と感じたようです。そしてこの意見を聞いたイベント会社の方も「なるほど」と感じたそうで、次回は会場と同じ県の団体さんに積極的に声をかけてみてほしい、とのお話がありました。この担当の方はとても優しくて、お客様の声も主催側の声も親身になって聞いてくださるので、さらにイベントを良くしようと思ってのお話だったのは間違いありません。

 ただ、この話を聞いた私は「新しく伝えたいこと」が増えた感覚になりました。様々な意見があるのは承知で、ここからは私の考えを書いてみたいと思います。ぜひ皆さんも一緒に考えてみていただけたら嬉しいです。

 今は全国でたくさんの団体さんが活動されており、保護施設も増えてきました。そんな中で意外と知られていないのが、保護活動をするにあたっては、特別な決まりがないこと。「今日から保護活動します!」と動けば、誰でもスタートできます。ちなみに動物関連は獣医師、看護師以外の職業は、特に資格がなくてもできますね。

 そして一部ではありますが、悪質なことをしてお金儲けをしている人達がいるのも事実。ほとんどの人が一生懸命に活動している中、悪い人が隠れているので、その見分けはとても難しいです。

 さらに「動物に対する考え方」もそれぞれあります。理念を持って活動されている中で、団体さん同士の意見が割れることも。動物を助けたい気持ちは同じでも、考え方が違うと行動も変わってくるので、とても難しいのです。私も勉強しながら自分の考えができてきたので、信念を持ってブレずに行動したいと思っています。

 なので自分が主催側としてイベントを実施することになった場合、どこの団体さんに声をかけるかは、とても重要な問題になってきます。

 そんな時にとても心強いのが、信頼できる団体さんの存在です。この3年間で全国の団体さんと、わんにゃんフェスティバルの譲渡会イベント等でご一緒させて頂き、素敵な繋がりがたくさんできました。その繋がりから声をかけていくことで、より自分と考えが近い団体さんと一緒に活動できる可能性が高まります。

 でもその反面、どうしても会場とは違う地域の団体さんが集まる場合も。その場合は地域だけで区切らず、まずは繋がりのあるところからスタートしていき、ゆくゆくは地元の団体さんが集まるイベントができたらいいなと思っています。

 では違う地域の団体さんの譲渡会に参加する場合は、どんなところを見て頂きたいのか。まずは保護猫たちの存在はもちろん、その団体さんの雰囲気や考え方に触れて知って頂くことが、なによりも大きな力になると思っています。

 例えば「この団体さん、素敵だな」と思ったら里親になることを検討したり、支援をお願いしたいですし、「少し考え方が自分と違うかな…」と思ったら、ひとつの活動として知ってもらえれば嬉しいです。とにかく知ってもらうことが、本当にありがたいのです。あまり深く考えずに、まずは「へぇー」と思うことからスタートしてもらえたらと思います。

 もしよければ、お近くの譲渡会イベントや保護施設があったら、足を運んでみてくださいね。そうしてくださることが、大きな力になります。よろしくお願いします!

(高木真備)

たかぎ・まきび/1994年8月17日生まれ。2014年に競輪選手としてデビューし、2021年ガールズグランプリで優勝して年間女王になる。2022年に競輪選手を引退し、その後は犬猫の保護活動に携わっている。

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