物言う株主として知られる米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)に対し、長年にわたり「フジテレビのドン」として君臨し続ける日枝久取締役相談役の辞任を求める書簡を送った。
書簡では「日枝氏がフジHDとフジテレビの取締役会を完全に支配している」などと批判。ダルトンはグループでフジHDの株式を7%以上、保有する。「取締役の過半数を独立取締役とする」といった、さらなる企業統治改革も求めている。
「これまでの2回の会見は結局、ダルトンからの外圧があったことで実現しましたが、ついに日枝氏に対しても外圧がかかった。そもそも現状の役員は総退陣しないと、株主も世間も納得しないでしょう」(放送担当記者)
1月27日の約10時間半に及ぶ新旧役員5人が出席した会見に、日枝氏が出席しなかったことから、「なぜ出てこないのか」という質問が何度も記者から飛び出し、会見を長引かせる要因となった。ところが、
「日枝氏を会見に出席させたところで、今回の騒動の発端となっている中居正広氏と女性のトラブルについては何も知らないはずなので、答えることができなかった。なので、今後も会見させることはないでしょう」(前出・放送担当記者)
コトここに及んで、日枝氏はもはや退くしかなさそうだが、とんでもない愚策で日枝氏の地位を守る可能性が懸念されている。フジテレビ中堅社員が言う。
「結局、ウチの上層部は日枝さんの息のかかった局員ばかり。なので退陣させるにしても、『取締役相談役』からは外すが、ただの『相談役』として残すのでは。それでは院政を敷くことに変わりはないし、会社としての信頼が回復することはないでしょうね。CMスポンサー各社も戻って来ないのでは」
やってはいけないことを冷静に見極めなければ…。
(高木光一)