中居正広の女性トラブルが引き金になり、「性上納システム」の組織的関与を疑われたフジテレビ。港浩一社長が会見を開いたものの、危機管理ゼロのお粗末な対応で、スポンサー離れは壊滅的な状況となった。次々と耳を疑いたくなるような企業体質も露わになり、〝ドン〟と呼ばれた帝国の主の終焉が刻々と迫っている‥‥。
昨年12月末に「女性セブン」で中居正広(52)の「9000万円女性トラブル」が報じられ、追撃した「週刊文春」ではフジテレビの〝性上納システム〟疑惑が指摘された。それから、1カ月あまりが経過しようとしている。
渦中の中居は、1月23日に有料の会員サイトに「さようなら‥‥。」とメッセージを綴り、いち早く電撃引退を表明。
一連の記事で被害者女性との会食をセッティングして、関与が疑われているフジの編成幹部A氏は、中居が追い込まれると見るや、
「今回は中居に利用された」
と、周囲に愚痴をこぼし、責任を押しつけてひたすら保身に走っているという。
とはいえ、コトの発端となった中居の女性トラブルは、今やフジの根幹を揺るがしかねない大問題に発展。
1月17日に港浩一社長(72)が会見を開いたが、「調査にかかわることなので、回答を控える」を連発。コトの重大さとは乖離したあまりに不誠実な対応に、花王やJRAなど80社近くものスポンサーが自社CMを差し止める異例の事態となった。
フジの系列局でコメンテーターを務めるジャーナリストの大谷昭宏氏も、お粗末な対応を一刀両断する。
「常識では考えられない会見でした。テレビ局なのに、テレビカメラを入れずに動画撮影は不可。出席は記者会加盟社のみで、1社あたり2名と制限。そもそも記者会見をする側が誰と誰は来てほしくないとか、条件を付けるのはお門違いなわけですよ。ボロボロの会見の中身もそうですが、本当にピント外れで非常識だと思うのは、会見を開いた1月17日は、阪神・淡路大震災から30年の日。天皇皇后両陛下は前日から神戸市にお入りになって、哀悼の言葉を述べられています。そういう時にこうしたスキャンダルの会見を開くとは、はなはだ失礼な話ですよ」
大バッシングを浴びる港社長は、23日に社員向け説明会を開き、
「失敗だった。準備不足だった」
と、全面的に謝罪。それでも批判は収まるどころか、むしろ強まっている。社内外で港社長の責任を問う声が高まると、その矛先はフジサンケイグループ代表で、フジの〝天皇〟日枝久取締役相談役(87)にも向かった。
大谷氏はこう指摘する。
「17日の港社長の会見を見ても、世間の反応より日枝氏を守ることで精いっぱい。どっちを向いて会見をしているのかわかりませんでした。出世コースから外れても、日枝氏の鶴の一声であっという間に戻れるほど、いまだに権勢を振るっています。フジの報道番組の担当記者に聞くと、打ち合わせの段階から『こういうやり方をしたら日枝さんはどう思うのか』などと顔色を窺ってばかり。本人がすべての番組に対して、こうしろと指示しているとは思えませんが、茶坊主たちは逆鱗に触れたらえらいことになると、ビクビクして忖度ばかりしている。典型的な悪しき日本の企業体質なのです」
今回の問題の根源も、振り返れば「日枝帝国」のまいた種にあった。