2014年は、少女マンガ原作の映画が注目を浴び続けた1年だった。たとえば渡辺あゆの人気作品「L・DK」を剛力彩芽&山崎賢人が、また葉月かなえの「好きっていいなよ。」を川口春奈&福士蒼汰が、紡木たくの「ホットロード」を能年玲奈&登坂広臣が、それぞれ実写版に主演。特に「ホットロード」は興行収入25億円超のヒットとなった。
この少女マンガ実写化ブームは、2015年も続く見込みだ。と言っても、2014年の作品はティーンエイジャーの恋物語が多かったのに対し、今度はオトナの恋バナが多め。昨年放送の少女マンガ原作ドラマ「きょうは会社休みます。」(日本テレビ系)が世のアラサー女子たちのハートをつかみ、最高視聴率17.3%を記録したように、今年は30代前後の女性が自分自身を投影しながら楽しめる作品が続々登場するのだ。
たとえば、現在公開中の「繕い裁つ人」(池辺葵原作)は小さな洋裁店の2代目の店主・一江を中谷美紀が演じ、三浦貴大演じる百貨店企画部の社員・藤井との淡い恋物語が展開される。また、2月に公開された「甥の一生」(西炯子原作)は、仕事をやめて田舎で暮らす元キャリアOLと50代の大学教授との恋愛を、榮倉奈々と豊川悦司が熱演。
ほかにも、真木よう子主演の「脳内ポイズンベリー」(水城せとな原作)や、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずが4姉妹の役を演じる「海街diary」(吉田秋生原作)などにも、早くも期待の声が上がっている。
それにしてもなぜ、今になって「少女マンガ原作映画」にアラサー女子たちが注目しているのか? そのキッカケは「L・DK」で注目された「壁ドン」のようだ。少女マンガに詳しいライターに聞くと、
「壁ドンが流行ったことで、恋愛マンガのワンシーンのような非日常的なシチュエーションが注目され、再び憧れを抱く女性が増えたんです。でも、最近の生身の男性は、そういうロマンチックな言動をカッコ悪いとして避ける傾向にありますよね。だから余計、少女マンガに理想を求めるようになるのでは」
ネット上で女性たちの声を拾ってみても、
「『甥の一生』の足キスシーンに興奮した。トヨエツみたいな50代と出会いたい!」
「西島秀俊のメガネ姿を堪能できる『脳内ポイズンベリー』が楽しみすぎる。年下男子と年上男子に挟まれる贅沢な三角関係、うらやましい」
「福士蒼汰目当てに少女マンガ原作映画を見てたら、すっかり少女マンガにハマった」
「『繕い裁つ人』はゆったりとした世界観に包まれながら、見ているうちに自分もじわじわと三浦くんのことを好きになっていくのが心地よかった」
と、すっかり夢見心地になっている様子。
現実の恋がうまく行かない人も、理想の恋愛ストーリーを見つけることで、甘~い感情に浸ってみてはいかが?