プロ野球春季キャンプのいちばんの楽しみは、選手によるファンサービスにほかならない。それもスター選手によるものならば、一生の思い出になることだろう。
巨人・長野久義の「神対応」は、その御多分に漏れず。宮崎から沖縄に移動する巨人ナインを空港に見送りに来たファンに対し、一風変わった方法でメロメロにしたのだ。居合わせた女性ファンが振り返る。
「宮崎ブーゲンビリア空港には、保安検査場を通過した搭乗ロビーと、保安検査場外とでガラス越しに会話ができる『もしもしコーナー』があります。その名前の通り、互いに設置された受話器を用いて会話ができるのですが、そこに保安検査場を通過した長野選手が来て、女性ファンに直接話しかけてくれたんです。他愛のない挨拶程度の内容でしたが、黄色い声援が飛び交っていましたね」
ファンに誠実なのはベテラン選手だけではない。宮崎居残り組にも「レべチ」なファンサービスを展開する高卒ルーキーがいた。昨秋ドラフト1位で入団した石塚裕惺だ。
現在は2軍キャンプに帯同中で、練習後には毎日のように、ひなたひむかスタジアムでファンにサインを書いている。
「驚かされたのは気風のよさです。ある日『頑張ってください!』と声をかけてくれた5~6歳の少年ファンに、自分が使用していたバッティンググローブをプレゼントしていたんです。石塚の名前が刺繍された1点ものだけに、少年は大喜びでしたよ」(50代の巨人ファン男性)
やはりファンあってのプロ野球。巨人が人気球団たるのは、ファンを大事にする文化が脈々と継承されているからか。