モンゴル力士のコミュニティーでは、
「誰かの奥さんが誰かの血縁者だという関係もよくある。例えば、玉鷲(33)の妻は、幕下・旭蒼天(24)の実姉です。そうしたつながりが、お互いの結束をいっそう強くしている面がありますね」(相撲部屋関係者)
互助会は親睦会ではあるが、いわゆる「自動入会」システムだといい、モンゴル出身力士は入門と同時に一員となる。その「活動」は、モンゴル力士が集まる飲食店でしばしば行われており、特に多いのが、東京・錦糸町だ。地元飲食店関係者が明かす。
「居酒屋、スナック、カラオケラウンジ、フィリピンパブ、モンゴルパブなどに集まります。とあるスナックから、Tシャツ姿の白鵬と日馬富士が腕を組んでゲラゲラ笑いながら出てきたのを見たこともあります」
先の相撲部屋関係者も言う。
「集まるのは、例えば、千秋楽の夜。優勝パレードが終わり、タニマチへの挨拶も済んだあとだから、午後11時頃ですかね。主に十両以上の力士に集合がかかります。ボスはもちろん、白鵬。モンゴル互助会は、上下関係にはとても厳しい体育会系で、その代わり、飲み代は番付と年齢が上の者が払います。横綱がいれば、横綱が払う」
そうして始まる互助会の会合における「議題」は何か。内情を知るスポーツライターは、声を潜めてこう続けるのだ。
「タニマチを紹介し合うなどして人脈を広げる。さらに、星の回し合いにまつわる話です。親方衆の間でも、これはたびたび話題になることがある」
2017年11月30日号で、今回の暴行事件の現場では、貴ノ岩が日馬富士に「この八百長野郎!」とつぶやいた、と報じた。さらに好角家の漫画家・やくみつる氏も「モンゴル人力士には、星の回し合いが目に余る時期もあった」とコメント。
「実はそれにまつわる、今回の暴力事件の伏線となった出来事があるんです」
と言って、驚きのエピソードを明かすのは、前出・相撲部屋関係者である。
「今年の初場所、稀勢の里が14日目に初優勝を飾りました。実はこの日、白鵬は貴ノ岩に敗れ、それが稀勢の里の優勝につながった。これに白鵬が激怒したそうです。白鵬は春場所前、時津風部屋へ出稽古に出かけていますが、(白鵬が所属する)宮城野部屋の力士を使って、貴ノ岩にも声をかけている。ところが白鵬の“報復”を恐れた貴ノ岩は、その誘いの電話を無視した。師匠である貴乃花親方(45)の言いつけを忠実に守った形ですが、白鵬にとってはモンゴル互助会の秩序を乱し、あ・うんの掟を破る重大な“ルール違反”。なんとかしなければと思っていたはずです」
白鵬の激怒と報復、貴乃花親方の言いつけ、重大なルール違反‥‥。いったい、どういうことなのか。
「白鵬をトップとする互助会の力士は、相撲界での地位をなるべく安泰なものにしたい。その手段となるのが、星の回し合いです」(前出・相撲部屋関係者)