横綱昇進を期待する声に囲まれながら、1月の初場所は序盤戦で2勝3敗と負け越したのが響いて10勝5敗。大関・大の里は、ライバル豊昇龍に先を越されてしまった。
本人の気持ちは察するに余りあるが、すぐに頂点を極めるとの声が出ていただけに、春場所に懸けるその闘志は相当なものだが…。相撲ライターが暗い表情で解説する。
「大の里の二所ノ関部屋は力士の乱痴気騒ぎや未成年飲酒問題が発覚し、言ってみればガバナンスが崩壊しているんです。こうした醜態はひと昔前の相撲界なら珍しいことではありませんでしたが、相撲界が変わろうとしているのに、このザマじゃ、ちょっと恥ずかしい。相撲に専念する雰囲気ではありません。おまけに稽古があるのは週3日だとか。事実なら心配になります」
二所ノ関親方が現役時代に所属していた鳴戸部屋は、相撲界で最も稽古が厳しく、親方が全てにわたって管理していた。
「だから乱痴気騒ぎなんて。起こりようがなかったんです。二所ノ関親方にとっては低レベルな力士の所業であり、取材にも言葉少な。言ってみれば、コメントのしようがなかったのではないですか」(前出・相撲ライター)
豊昇龍の立浪部屋に目を向ければ、親方はけっして強い力士ではなかったが、大鵬などの大力士から直接聞いた話を弟子に伝えているという。
大の里がちょっと心配だ。
(蓮見茂)