デジタル化全盛の今も、家の中に「ビデオテープ」をごっそりと保存してある家庭はいくらでもあるだろう。劣化が進み、いずれは見られなくなるかもしれない…そう思うと、我が家の段ボールの中に入ったままの大量のテレビ番組録画テープが心配になった。
そこへちょうど放送されたのが、3月10日のNHK「あさイチ」特集。「ビデオテープが見られなくなる前に!家庭でできるデジタル化」だったのだ。
ビデオテープを家庭でデジタル化するにはビデオデッキとDVDレコーダーが必要で、そのレンタル料が2週間で数千円。業者に依頼すると1本につき1000円ほどかかるとか。ちなみにテレビ番組を録画したものは著作権に抵触するので、業者でのデジタル化はNGなのだそう。
番組では埼玉県川口市にある、NHKアーカイブスを紹介。NHKでは「番組発掘プロジェクト」というのをやっており、視聴者から送ってもらった、家庭で録画したビデオテープを保管しているストックルームに潜入していた。中には野村万作や桃井かおりなど、著名人から提供されたテープもあり、段ボールにはその名前が…。最初の方で映された桃井の出演ドラマ「赤サギ」の映像は、桃井本人から提供されたものだという。
桃井の手紙によると、当時のテープやデッキは高価だったが、父親が買って録画していた、とのこと。桃井の父といえば、国際政治学者の桃井真氏。以前、インタビューか何かで、その父は俳優の仕事を認めてくれなかった、という話を読んだ気がするが、わざわざ高価なビデオデッキを買ってまで娘の仕事を録画していたのかと思うと、それだけで胸が熱くなるというものだ。おかげでテレビドラマ最盛期の早坂暁の作品が残っていたのだから、真氏の娘愛に感謝、だ。
現在、再放送中の「プリンプリン物語」も、全656回のうち400本以上が視聴者や番組関係者から提供されたものだそうで、なんとあと1話、265話が見つかればコンプリートするという。
「プリンプリン物語」ファンとしては、これはもうなんとしてでも256話を発掘してほしい。持っている人は「番組発掘プロジェクト事務局」のサイトへ、ということだが、石川ひとみに聞いてみてはどうだろう。
(堀江南/テレビソムリエ)