4月から「千鳥の鬼レンチャン」(フジテレビ系)が放送枠を拡大し、2時間番組としてリニューアルされることが発表された。もともと日曜の夜8時から9時に放送されていたが、4月からは夜7時から9時までになる。
とはいえ「鬼レンチャン」は最近では1時間でオンエアされることはほぼなく、2時間レギュラーが当たり前だったため、さほど驚く視聴者はいないだろう。
だが同じく4月からフジテレビで2時間化される番組は、2つもある。それが「土曜はナニする!?」であり「Mr.サンデー」だ。
毎週土曜朝の「土曜はナニする!?」は4月から30分拡大し、2時間の生放送に。日曜夜の「Mr.サンデー」は66分拡大し、午後8時54分から11時9分までの2時間15分となる。
「Mr.サンデー」の放送時間拡大は、前の時間に放送されている「だれかtoなかい」の打ち切りで空いた枠を埋めるための解決策という見方が強いが、実は現在、週単位で見ても、2時間枠の番組が増加している。
例えば月曜の「CDTV ライブ!ライブ!」、木曜の「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」といった、もともと2時間枠の番組のほか、「ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」「バナナマンのせっかくグルメ!!」「坂上&指原のつぶれない店」(以上、TBS系)や「マツコ&有吉 かりそめ天国」(テレビ朝日系)、「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」「新しいカギ」(フジテレビ系)など、もともと1時間のレギュラー番組が、放送される際はほぼ必ず2時間化している。
こうした2時間番組が増える大きな理由は何か。
「制作費の削減が挙げられるでしょう。テレビ業界では1時間番組を2本制作するよりも、2時間番組を1本作った方が、セットやロケ費用、スタッフの人件費などのコストを抑えることができます。そもそも1時間の番組も撮れ高を考えて、少なくとも1時間15分から1時間半、カメラを回すことがある。であれば1回の稼働率を上げて2時間化した方が、メリットは大きいのです」(制作会社デスク)
視聴率の観点からも、2時間番組は利点はある。
「単発の2時間スペシャルは、従来から高視聴率を獲得しやすい傾向があります」(前出・制作会社デスク)
だが一方で、デメリットがある。2時間に引き延ばすことでテンポが悪くなったり、ネタ切れ感が出たりすることが懸念されるのだ。生き残りを懸けた2時間化が、逆に作用してしまうことも考えられるのだった。
(奥森信)