ドジャース・大谷翔平の元通訳・水原一平被告の収監はいつになるのか。
大谷の預金口座からおよそ26億円をだまし取ったとして、銀行詐欺罪などで禁錮4年9カ月の判決を言い渡された水原一平被告の出頭期限が迫った3月24日(日本時間25日)、地元テレビ局NBCロサンゼルスは、出頭期限が延期されたと報じた。延期の理由や出頭日などは、明らかにされていない。
著名人の出頭延期は珍しいことではない。2019年にはロシア疑惑をめぐる偽証罪などで起訴された、米トランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏の収監日が延期された。コーエン氏は出頭前に入院、手術を受けており、術後の回復や議会委員会の証言準備のため、出頭延期が認められた。
ボクシング世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーJr.も、2010年に起こした家庭内暴力に関する判決で2012年1月に収監予定だったが、出頭延期に。収監で同年5月に予定されていたボクシング興行が中止になると、100万ドル(当時のレートで約78億円)の損失が生じるというメイウェザーJr.代理人弁護士の主張が認められ、興行開催と試合後の治療回復期間を考慮して、5カ月間の出頭延期が決まった経緯がある。
水原被告も「ギャンブル依存症」の治療が認められれば、出頭は事実上、無期限延期となる。
さらに水原被告が収監を希望した南カリフォルニア州の刑務所は、ドジャースファンの巣窟。野茂英雄が在籍当時のトミー・ラソーダ監督がイタリア移民2世だったこともあり、映画「ゴッドファーザー」のイタリア系マフィアから、本拠地ブルックリン時代の半グレ集団、中南米出身の凶悪犯まで、ド軍は幅広いファン層を抱える。シーズン開幕に合わせて水原被告が収監されるのは、最悪のタイミングだ。
アメリカの刑務所では人種ヘイトクライムが横行しており、東洋人は「受刑囚カースト」の最下層。しかも南カリフォルニア州の東洋人グループの取りまとめ役は、ロサンゼルスのチャイナタウン人脈とも言われており、水原被告が獄中でドジャースファンの受刑囚から報復を受けても、孤立無援に。最悪の場合、獄中死するおそれもある。水原被告の弁護士が連邦地裁に、安全上の配慮がなされるまで収監延期を求めてもおかしくはない。
オンラインカジノに手を出さなければ、水原被告は大谷を裏切ることなく、先日の東京ドーム開幕戦で大谷、山本由伸、佐々木朗希とともに凱旋帰国できたのに…。
天国から生き地獄へと、一気に突き落とされることになった水原被告。だからギャンブルは怖い。
(那須優子)