ついに寝台特急「カシオペア」が完全に引退する日が近づいてきた。今年6月の運行が最後になると、読売新聞が報じたのだ。
カシオペアは豪華な寝台列車として、1999年に運行開始。専用の「E26系客車」を使って、上野と札幌を結んだ。
2016年に北海道新幹線が開業するのに合わせて青函トンネルの電圧が変更され、既存の電気機関車がトンネル内を走れなくなったため、運行を終了。以降はJR東日本圏内を「カシオペア紀行」「カシオペアクルーズ」として運用されてきた。しかしそれも終了し、完全に引退することになる。
カシオペア紀行はプランが完売するほどの人気ぶりで、まだまだ続けてほしいが、車両の老朽化と機関車の減少により、走行をやめるという。これに異を唱えるのがベテランの鉄道ライターだ。
「JR東日本は『車両の老朽化と機関車の減少が原因』と、仕方がないことのように言っていますが、機関車を次々と廃止にしたのはJR東日本です。電気機関車を所有していると、それを運転できる乗務員を確保しなけばならず、コストがかかるので全廃したいというのが本音。電気機関車をなくすとなると、カシオペアも引退させるしかありません」
読売新聞の記事によると、完全引退は決定のようだが、わずかな可能性が残されていると、先の鉄道ライターは期待を寄せるのだ。
「JR東日本輸送サービス労働組合とJR東日本の団体交渉で、電気機関車の存続と乗務員の確保について議論されました。組合から『EF81系4両とEF64系1両が残るとあったがどうなのか』との質問に、会社は『使命が残るということであり、ELは全廃に向けて調整を行っている。全廃の時期は未定。牽引機の使命があれば、残さなければならない』と回答しています。つまり、電気機関車の存続に含みを持たせた形です。さらに組合側は、いざという時に乗務できないことがないよう教育を行ってほしいと要求し、会社はこれを了解しました。このやりとりを見ると、電気機関車はまだ数年は残るように解釈できます。となればカシオペアも…と思ってしまいますね」
紅葉の中を走るカシオペアが、もしかしたらまだ見られるかもしれない。
(海野久泰)