「担任真鍋」の前では、さすがの藤川球児監督もアッサリ引き下がることしかできなかったようだ。
DeNA×阪神3連戦の3戦目、4月3日の試合は2-2で迎えた9回表、DeNAが絶好のチャンスを迎えた。一死から宮﨑敏郎のレフト前ヒットで走者一塁の場面。打席の佐野恵太は2-2からの9球目、阪神ゲラが投じた外角低めのスプリットを空振りし、三振に打ち取られたように見えた。
これを真鍋勝巳球審はファウルチップと判断し、ファウルの判定。投球は地面にバウンドしておらず、また捕手の榮枝裕貴もミットからボールをこぼした。榮枝は空振りをアピールし、佐野は自ら三振だと思ってベンチに戻りかけたところ、打席に戻る事態となった。
これを見た藤川監督は三振ではないかと、すぐにベンチを出て真鍋球審に確認。内野で4人の審判が集まって協議するも、判定が覆ることはなかった。
結局、佐野は四球で出塁し、続く山本祐大がセンターへの勝ち越しタイムリー三塁打を放って逆転に成功。三振であれば、展開は大きく変わっていただろう。
そもそもファウルチップはリクエストの対象外。バッターボックス横で佐野はニヤニヤと笑みを浮かべており…。
すごすごと引き下がる藤川監督を尻目に、毅然とグラウンドに立つ真鍋球審は、まさに「担任真鍋」そのものだった。
「担任真鍋」とは、2020年8月23日のオリックス×西武での判定をめぐって生まれた言葉だ。西武の中村剛也がハーフスイングをとられた際、西武ベンチから野次が飛ぶと、真鍋球審が「誰や!」と注意。あまりの剣幕に、西武選手たちの顔つきがみるみる神妙になり、「担任に怒られている生徒」のように見えるといわれたのだ。
ちなみに2018年4月22日の巨人×阪神では、巨人の小林誠司がストライク、ボールの判定に不満な仕草を見せ、真鍋球審が激怒。わざわざ試合を中断して小林に詰め寄り、小林を青ざめさせた。
佐野のファウル判定に関しては、DeNAファンですら「三振だった」と憚らず、「誤審」の可能性は極めて高いが、試合後に真鍋球審は「キャッチャーが捕ってるんじゃないかという確認(が藤川監督からあった)。捕っていないと。それだけ。見たまま」と、にべもなかった。
阪神にとっては、なんとも不運な判定。これも「担任真鍋」の教示なのかもしれない。
(ケン高田)