「関西の視聴率男」と呼ばれた、やしきたかじんも東京進出した際には苦い思い出がある。92年10月にスタートした「M10」(テレビ朝日系)で金曜日MCに抜擢された。ところが料理コーナーで、調味料として「味の素」が用意されていなかったことにブチキレ。「味の素はどこやー!」と怒鳴って、セットを破壊するや、スタジオを飛び出してしまったのである。
「実は打ち合わせの段で、たかじんさんが『味の素は絶対用意せーよ!』と口を酸っぱくして確認していたんです。『オレの味はそれがないとダメだ』と。完全に準備を怠った制作スタッフが悪いと思います」(城下氏)
同放送回は、ゲストの大竹まことと中山秀征が料理の続きをして事なきを得た。しかし、その大竹も若い頃には一線を越えている。「タモリのいたずら大全集」(88年、日テレ系)で、共演していた山瀬まみを押し倒し、衣装のジーパンを脱がせようとするとんでもない暴挙に出たのだ。あまりに傍若無人な振る舞いに周囲もタメ息ばかりだった。
芸能ジャーナリストの竹下光氏がバラす。
「大竹の『お前、失恋したんだってな~』というイジリに動揺した山瀬が頭を叩いたり、ローキックを繰り出したりと応戦しましたが、大竹のさらなる反撃に泣き出してしまった。最後は大竹がマイクやセットまで壊す大立ち回りを演じました。以来、2人が共演NGになったばかりか、大竹は日テレを20年以上出禁になった」
制御不能なのは、芸能人ばかりではない。
「金を返せないのであれば、臓器を売って返せ!」との常套句でお茶の間を震撼させたのが、闇金の帝王・杉山治夫会長だ。債務者からむしり取った金を部屋にばらまくなど、人間の醜さ、欲深さが際立っていた。
「おはよう!ナイスデイ」(84年頃、フジ系)では、レポーターとして直撃したミッキー安川が、会長自慢の金満コレクションを「それ、みんな人の命だね」と厳しく非難すると激高。撮影カメラのレンズめがけて札束を投げつけて「帰れ!」と絶叫した。
「あのシーンを流すと視聴率がいいので、ワイドショーで何回も使われていましたね」(城下氏)