2016年のサービス開始時、月額1890円だった料金が、2022年に3000円、2023年に3700円、そして2024年には4200円と、3年連続で値上げに踏み切ったDAZN。スポーツコンテンツの維持と拡充、配信技術への投資などを理由に、中継中のCM放送を加速させている。
現在、DAZNでは「月額」「年額」プランの他に「DAZN Freemium」と呼ばれる無料配信サービスを提供中。今年は6月から7月にかけて開催される「FIFAクラブワールドカップ」全63試合の独占無料配信が予定されている。どうやらDAZNとしては、これまでのサブスクからPPV(ペイ・パー・ビュー)やアドオンを構築して、それぞれのレイヤーで収益をあげる戦略を進めていくとみられるのだ。
他方、サッカーファンが不満を抱えているのは、2月1日から導入された「野球専用プラン」だ。これは春季キャンプのライブ配信から公式戦、クライマックスシリーズのライブ、見逃し配信などコンテンツが盛りだくさんで、年間プラン2万7600円を選択すると、月あたり2300円で視聴できる。「なぜサッカープランがないのか」と納得がいかないのである。
では今後、サッカー専用プランはできないのだろうか。
「『Jリーグパック』のようなプランが登場する可能性はあるでしょうね。その場合、サブスク料金を値下げする代わりに、視聴できる試合を一部に限定する。全ての試合を視聴するためには、別途『アドオン』を購入するような形がとられるかもしれません。4月8日からAmazonプライムビデオは、月額380円の広告表示なしオプションの提供を始めています。今後はアドオンや広告などを取り入れた方式が、主流になっていくでしょう」(メディアライター)
Amazonプライムビデオでは、映画やドラマの途中にCMが割り込むケースがあり、これには賛否ある。サッカーや野球はリアルタイムでプレーが進行するだけに、その扱いが難しいのだ。
相次ぐ値上げで「DAZN離れ」現象が起きる中、頼みの綱のサッカーファンを納得させる、おトクなプランが登場することを期待したい。
(ケン高田)