開幕から全13試合で4番を務めてきた中日ドラゴンズの石川昂弥が不振のため、出場選手登録を抹消された。打率1割6分、0本塁打、3打点。打撃のみならず、守備でも集中力を欠いて、4月11日の阪神戦(甲子園)では、ファウルフライの捕球態勢に入りながら遊撃手に譲り、落球。井上一樹監督が「俺も我慢をしてきたけれど、テコ入れしたいと思います」と激怒する事態となった。
「自分の形ができていません。立浪和義前監督や和田一浩前打撃コーチにいろいろアドバイスを受けていましたが、しっくりきていませんでした。今年からは松中信彦打撃統括コーチから、左足を上げてパワーをためて打つフォームを勧められていましたが、それが結果には結びついていません」(球団関係者)
育成プランがないばかりに、指導をたらい回しにされている。高いポテンシャルがありながら指導方法が合わず、くすぶっている選手がほかにもいた。
「2018年に4球団競合の末、ドラフト1位で入団した根尾昂ですよ。当初は遊撃手として、鍛えられていましたが、時の首脳陣の育成法から、2022年3月に外野手へ登録変更されると、その年の6月に投手に再変更される大迷走。投手に専念してからは昨年、先発から中継ぎに転向しました」(前出の球団関係者)
一貫性のないチーム運営が長期低迷を招いているのは間違いない。中途半端な経験を積ませ、その時の思いつきで配置転換や育成転換をしていては、才能を伸ばすことはできないだろう。
(佐藤実)