かつての即戦力候補たちが今、苦境に立たされている。昨シーズンのぶっちぎり最下位からの浮上を目指す西武では、戦力の過渡期と言われるチーム状況の中、すでに構想外に片足を突っ込んでいる選手が2人もいる。まず1人目は、2022年ドラフト1位の蛭間拓哉だ。球界関係者が明かす。
「早稲田大学時代に通算13本塁打を記録した打棒は、アマチュアレベルにすぎなかったのでしょう。昨年の1軍成績は、63試合出場で打率2割2分、1本塁打、16打点と低調。もっぱらの課題は、150キロ超の速球への対応だと言われています。ところが本人は弱点を理解していながら、抜本的な改善ができないままに、大卒3年目のシーズンを迎えることになった。トレードでセ・リーグ球団に移籍すれば、いくぶん活躍の場はあるかもしれませんが…」
今年は2軍でも打率2割台前半と、散々な成績。右足首捻挫で4月13日に登録抹消されたルーキー渡部聖弥の代わりに昇格したのは、岸潤一郎だった。
そしてもう1人、パッとしないのが、社会人出身捕手の柘植世那。こちらも1軍が遠いようで、
「まさに『帯に短し襷に長し』の典型。捕手としての総合力は高いのですが、1軍レギュラーの古賀悠斗やベテランの炭谷銀仁朗には遠く及びません。かといって、それを補うほど打撃に定評があるわけでもない。あくまで2軍の試合を成立させるための『壁要員』にほかなりません。目下、炭谷より若い世代の第二捕手を獲得することが、編成部門の緊急課題になっています」(前出・球界関係者)
伸び悩む大学・社会人出身選手。今後、チーム再興のために、シビアな判断が下されるかもしれない。