元NHK看板アナウンサー2人が、民放局の看板番組で勝負の年を迎えている。「with MUSIC」(日本テレビ系)で音楽番組初のMCを担当する有働由美子と、「Live News イット!」(フジテレビ系)でメインキャスターとして出演している青井実。どちらも前途は多難だ。
有働はフリー転身後の2018年から「news zero」(日本テレビ系)のメインキャスターを6年間務めたのち、2024年4月から「with MUSIC」の司会として活躍してきた。だが、放送枠である土曜夜8時との食い合わせが悪く、低迷して撤退。この4月からは土曜夜10時に「降格」してリスタートしている。
だが番組は、有働が持つバラエティーに富んだカラーを全面に打ち出したいのかと思いきや、パッケージは重厚な感じで中途半端。相棒の松下洸平との息も合っているのか、はっきりしない。放送作家が言う。
「有働さんは『攻め』のタイプ。一方、松下さんは『受け』で相性はいいのですが、NHK時代に『あさイチ』でタッグを組んできた元V6・井ノ原快彦のようなツッコミを入れられる感じではありません。どちらも良さが出ていないような気がしますね」
4月12日放送回の個人視聴率は、わずか2.3%(ビデオリサーチ調べ、関東)と低調だ。
「NHKニュース7」「ニュースウオッチ9」などを歴任し、「NHKのプリンス」として知られた青井はというと、こちらも非常に危うい。フジテレビ報道番組再建の切り札として送り込まれたはずの「イット!」は数字の上がり目がなく、民放局のニュース番組で最低のアベレージ。
しかもここに来て、リハーサル中に強い口調でスタッフを叱責したり、放送終了直後にピンマイクを放り投げ、スタッフを厳しい口調で怒鳴ったことが明るみに出て、大きくイメージダウン。本人は謝罪し、番組継続が発表されたが、「報道番組の顔」としての資質には疑問が残る。早期降板の可能性は否定できないのだ。
では、先に脱落するのはどちらか。静かなサバイバルが始まっている。
(森文彦)