ここでも大谷翔平とダルビッシュ有の一騎打ちか。
ロッテからポスティングシステムを利用して、来季からのメジャー挑戦が濃厚な佐々木朗希の移籍先に、パドレスが急浮上している。メジャーリーグを取材するスポーツライターは、
「アメリカ国内では大谷翔平と山本由伸が在籍するドジャースが最有力視されていますが、すんなり決まらない可能性がある」
とした上で、次のように理由を説明する。
「とにかくドジャースと同じナ・リーグ西地区のパドレスが、佐々木獲得に今後、本腰を入れてくる可能性大です。佐々木を説得するため、ダルビッシュが出馬する、との話も出ていると聞きます」
パドレスが佐々木獲りに躍起になっているのは、今季のポストシーズンでの敗戦があるからだ。前出のスポーツライターによれば、
「ポストシーズンでのドジャースとパドレスの戦いは、事実上のワールドシリーズだったと、評判になっているのです。まさに力の差は紙一重で、パドレスでは来季こそ世界一に、との機運が高まっている。そのためには佐々木が、二重の意味で必要不可欠な人材なのです」
最速165キロのストレートを持ち、日本プロ野球史上最年少で完全試合を達成した佐々木の投球は十分にワールドクラスだが、ドジャースの戦力をそぐ意味合いもある。
「ドジャースは現在のところ、来季の先発陣は不確定です。フラハティー、ビューラーはFAで未確定。レジェンド左腕のカーショーは手術の影響で、開幕に間に合わない可能性がある。なにしろ二刀流解禁となる大谷も左肩を手術しており、当面は打者専念になるかもしれません。アテになる先発投手は、喉から手が出るほど欲しい。そう考えると、佐々木を強奪すれば、ドジャースの先発ローテはどうなるのか。パドレスが佐々木を補強の最優先と考える、合理的な理由があるのです」(前出・スポーツライター)
ところが佐々木の場合は「25歳ルール」があり、現段階ではメジャー契約を結べない。マネーゲームにはならないため、全ては環境面と球団の熱意次第だろう。
ドジャースは山本を獲得するにあたり、大谷を「出馬」させたといわれるが、佐々木をめぐっては花巻東高校の先輩・大谷が「再出馬」して勝利するのか、それとも今度はダルビッシュの説得が決定打となるのか。オフの対戦もまた、見ものなのである。
(阿部勝彦)