6月下旬に開催されるフジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス(FMH)」の株主総会に向けて、大株主の米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」がSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長など12人を新たな取締役候補として提案していたが、ひとりを変更した。
日本国籍を有していない人物がフジテレビの取締役に就任すると放送法上、原則として「認定放送持株会社」の認定が取り消されると、FMHは指摘。ダルトンは指摘を受けて対応した形だ。
変更されたのはダルトンの共同創業者ジェームズ・ローゼンワルド氏で、代理人弁護士の水落一隆氏に置き換えられるという。
「物言う株主」として知られるダルトンが、なぜか放送法の肝となるポイントを見落とし。
「とはいえ、12人には『なんでこの人が?』と思うような人物が多く、全ての候補者が株主の賛同を得ることができるとは思えません」(全国紙経済部記者)
その顔触れを見ると、どうも「身体検査」が行き届いていると言い難い。適切な人選と思えないのは、北尾氏がダルトン側にただひとり推薦したという、NEXYZ.Groupの近藤太香巳社長。4月17日には北尾氏とともに都内で会見を行った、メディア広告事業などを手がける企業のトップだ。さらには、旧ジャニーズ事務所から所属タレントのマネージメント業務を引き継いだ、STARTO ENTERTAINMENTの福田淳代表取締役CEOも。
「近藤氏は2015年12月に元愛人への暴行を報じられ、名誉毀損で提訴したものの、実質的に敗訴。福田氏は別居中の妻との離婚が成立していないにもかかわらず、年下美女との路上キスなどを今年1月に報じられた。2人とも火種を抱えています」(週刊誌記者)
FMH取締役ポストをめぐり、これからどんな激流が発生するのか。
(高木光一)