森氏によれば、プーチン政権下で起こった暗殺は報道されただけでも30人はいる。ジャーナリストや実業家など、全て反プーチン派の人物だった。
「当然、プーチンが諜報機関を使って消したと表向きは捉えられます。プーチン政権に非難が集中してダメージとなる。それを狙って、あえてウクライナが反ロシアの人間を暗殺するということもあったようです。味方を殺してでも敵を追い詰めるやり方は、国際諜報戦略の専門家に言わせると当たり前のことなのです。もし、今後も鳩山氏がクリミアやロシアにノコノコと出かけることがあれば、暗殺される可能性だってあります」(森氏)
つまり、鳩山氏はロシアの謀略によって、もしくはウクライナからの刺客によって、両国から命を狙われる立場にあるというのだ。両国から極秘の“暗殺指令”が出ていたとしてもおかしくない状況なのに、なぜ鳩山氏は失言を繰り返してしまうのか。その原因を佐藤氏が喝破する。
「鳩山氏が口にする『友愛』なる言葉がありますが、それは稚拙かつ倒錯したヒロイズムに酔った『自己愛』そのもの。そこに原因があるのではないのか」
実際に、クリミア共和国の幹部らと会談して、ロシアのメディアから「本物のサムライだ」とホメられた際、鳩山氏はご満悦の表情だったという。
森氏もこう分析する。
「全ては彼の性格に起因しています。1つは、目立ちたがり屋であること。自分が注目されない状況が我慢できないらしく、周囲も『我慢が続くのは長くて1年』と言っています」
確かに鳩山氏の「(尖閣諸島は)日本が盗んだと思われてもしかたがない」発言は13年、韓国で行った反日講演が14年と、みごとに毎年問題行動を起こしている。クリミア訪問も、自身が注目されない状況に我慢できなかったのか。
「もう1つ、鳩山氏は非常に人のいい性格なので、ダマされやすいんです。ましてや、世界平和や友愛などの大義名分を持ち出されると、相手の話にすぐ乗せられてしまう。結果としてロシア政府や中国政府のロビー活動に利用される。本人は自分の発言の影響で何が起きるか、深く考えてないんです」(森氏)
名前は「鳩」だが、実情はいい「鴨」となっている鳩山氏。お役御免とばかりに、鴨鍋にされないことを祈るばかりだ。