土屋本人は、
「さすがに、3度目でヒロインは難しいかなぁ、と思っていました」
と半ば諦めかけていたようだが、北川氏はこう太鼓判を押す。
「NHK側から見れば順調にステップを踏んだうえでのヒロイン起用。かなり気に入られていることは間違いありません。近い将来、大河のヒロインも期待できるのではないでしょうか」
土屋は95年2月生まれの20歳で、珍しい「太鳳(たお)」は本名だ。父親は飲食業やイベントを手がける実業家。幼稚園から小学校まで過ごした都内の有名私立校では、ダウンタウン・浜田雅功の次男と同級生だったという箱入り娘でもある。
小5だった05年に「スーパーヒロイン・オーディション・ミス・フェニックス」で審査員特別賞を受賞。07年にCMで芸能界デビューし、翌年には映画デビュー。その後も大河ドラマ「龍馬伝」出演などで順調にキャリアを重ねてきた。
そんな土屋が頭角を現した作品が、11年に放送されギャラクシー賞などを受賞したドラマ「鈴木先生」(テレビ東京系)である。演じたのは物語の核となる聡明な美少女・小川蘇美役。シリアスなテーマをみごとに表現した演技力もさることながら、毎回のように登場した鈴木先生の「妄想シーン」における際どい演技も話題となった。土屋自身、
「原作を読んだ時には、これは放送できないのでは?と驚いたが、自分はこの作品にお嫁に行くんだな」
と決意したほどハードな場面の連続だった。
第2話では銭湯で教師と同じ湯につかり、バストが見えんばかりに急に立ち上がるという姿を披露。別の回では教師の部屋で制服のスカートを脱ぎ捨て、
「私、決めたんです。先生にささげるって‥‥」
と思い詰めた表情で迫るといった具合である。