モデルデビューを餌に、まだ中学3年生だった少女への許されざる行為が明るみになった、元芸能プロ社長の男が逮捕された。この外道な手口を行ったこの男は余罪だらけだった──。
「モデルになりたいなら、関係を持つか、お金を払うかだな。200万円払えば専属モデルにしてやるよ」
「田代仁」を名乗っていたフィリピン国籍のベレン・オリバー・オリベッティ容疑者(37)に、こんな下劣な言葉を投げかけられたという、20代前半の女性・C恵さんが憤りをぶちまける。
「1年以上前のことです。モデルデビューしたい誘惑に勝てず、100万円の契約書にサインをさせられました。すぐにお金が用意できなかったため、内金30万円を作るためにあらゆるカード会社に電話をさせられた。結果、誰でも出場できる公開オーディションで、申し訳程度の特別賞をもらいました。その後は関係を迫られ、断れば仕事をもらえない‥‥。『今、どこにいるんだ?』と電話をかけてきて、場所はホテルばかりか車内、漫喫、野外とどこでも。お金も毎月10万円ずつ払わなければいけないし‥‥」
そうまでしてモデルデビューしたいという、女性の気持ちを踏みにじるようにもてあそぶ男の非道ぶりが容易に伝わってくる。
オリベッティ容疑者の毒牙にかかった複数の被害者たちから耐えがたい告白を聞いたが、いずれも20代の女性ばかりだった。
ところが、女性を物色する目は未成年にも向けられていたのだ。
5月13日、警視庁少年育成課は、児童福祉法違反(自己淫行)容疑で、芸能プロダクション「センディング」元社長のオリベッティ容疑者を逮捕した。
同容疑者は昨年9月24日、東京都目黒区のマンション内で、当時中学3年生だった少女・A子さんに、「体形を確認する」「モデルになるためにみんなしていること」などと持ちかけて衣服を脱がせ、淫行に及び、その後、港区六本木にあった事務所に何度も呼び出し、レッスンスタジオなどで計十数回にわたって淫らな行為を繰り返したという。逮捕直後は、「今は覚えていない」などと容疑を否認したようだ。
はたして本当にそうだろうか。
センディングでは六本木発アイドルグループという「Ange」をデビューさせたり、テレビ番組の制作にも関わったりするばかりか、「jiggy」というファッション誌を出版して専属モデルを抱えていた。そのため同容疑者は、アイドルやモデルを夢みる少女らに「デビュー」という甘い言葉をささやいては、接触を繰り返していたのだ。
そんな一人、B美さんも「一回関係を持ったら専属になれる」と口説かれたが、金で解決する道を選んだ。
「初めは200万と言っていたんですが、『(jiggyyを後ろ盾とした)店も出したいならコンサルタント料も入れて400万円』と請求されたんです。1年で返そうにも、月30万円以上払わなければならない。すると風俗を紹介されて、田代が寮として用意したマンションに住まわされ、その家賃も払いながら返済を続けました。早く終わらせたいから死に物狂いになってデリヘルで働き、1日5万~6万稼ぎましたが、今度は月60万円もの返済を請求されて‥‥」(B美さん)