美智子さまの「ミッチーブーム」を彷彿とさせる「佳子さまブーム」である。服装についての母娘ゲンカから、男子学友によるダンスパーティでの「争奪戦」など、私生活が露わになる報道が連日続いている。開かれた皇室か、威厳ある皇室か──大フィーバーを右翼、辛口論客が一刀両断した!
佳子さまの記事を担当するネットニュース編集者はこう驚く。
「現在、ネットで佳子さまの話題は、異常なほどの関心の高さがあります。先日、配信したニュース記事もトータルで100万以上のアクセスがありました。『佳子さま』は完全に必殺のキラーコンテンツと化しています」
現在、国際基督教大学(ICU)に在学している佳子さま。キャンパス内で、語学クラスの同級生は「セクションメイト」と呼ばれ、学生たちはそれを“セクメ”と略す。しかし、5月12日、ニュースサイト「NEWSポストセブン」が、「誰が佳子さまのセクメになったのか」というタイトルのニュースを報じたところ、直後から編集部に、
「『セクメ』が違う意味を想起させる。不敬だ」
といったクレームが多数殺到する騒ぎとなった。
また、5月中旬の日曜日、東京・千代田区の皇居大手門前では、外国人観光客に交じって「佳子さまKFC(佳子さまファンクラブ)」と書かれたプラカードや、佳子さまの写真を貼り付けた大きなウチワを手にした若者たちが集った。そうしたことを警備員がたしなめる風景が繰り返されているという。
6月11日にICU学内で開催されるダンスパーティでは「自分が相手役を務める!」と、鼻息の荒い男子学生による熾烈な「佳子さま争奪戦」まで勃発している。
昨年12月29日、20歳の誕生日を迎えた佳子さまだが、成年皇族の仲間入りを果たしたことでメディアへの登場が急増。このような暴発とも言える大フィーバーへとつながった。
振り返れば1959年、当時、皇太子であった今上天皇が、当時一般人だった皇后の美智子さまと「テニスコートでの自由恋愛」を経てご成婚となった。皇室ブームといえば、その時の「ミッチーブーム」が思い出されるが、今回の佳子さまの件も、皇室にとって約半世紀ぶりに訪れた過熱騒動と言えよう。
二十一世紀書院代表で、右翼民族派の蜷川正大氏も、「佳子さま」については相好を崩す。
「佳子殿下は、過去のご皇族にはいらっしゃらなかったチャーミングで感情豊かなお方です。これまで、あまりご皇族やご皇室になじみのなかった若い世代に関心を持ってもらえるきっかけにもなるので、好意的に捉えている」
一方で、単なる興味対象として、アイドル歌手やタレントと同じ扱いをされることに、蜷川氏はこう苦言を呈する。
「軽佻浮薄の報道も多く、ブームがますます過熱することで、だんだんと皇室の尊厳が失われていくのではないかということも危惧される。こうした浮ついた軽々しい報道は看過できないものがある。また、若者たちも賛美の気持ちを表したいのなら、プラカードやウチワを持って行進するのではなく、皇居での勤労奉仕などに積極的に参加してほしいですね」
しかし、こうした懸念をよそに佳子さまへの国民の関心は高まるばかりだ。