ワールドカップ(W杯)を主催する国際サッカー連盟(FIFA)の幹部らが逮捕、起訴された。開催予定国の「白紙撤回」は現実味を帯び、W杯の日本開催に急展開しているという!
5月27日、米司法省は組織的な違法行為などの罪で、FIFAの副会長ら14人を起訴したと発表した。スイス司法当局は米国の要請を受けてこのうち7人を逮捕、世界のサッカー関係者に激震が走っている。
FIFA幹部らには1991年から24年間で総額1億5000万ドル(約185億円)を賄賂として受け取り、スポーツ関連メディアや代理店に便宜を図った疑いがある。スポーツライターが解説する。
「2011年に1人の元理事が、巨額の脱税容疑で米司法当局に摘発されました。ガンで余命が長くないと知ると、司法取引に協力して、“スパイ”としてFIFA幹部との密談を隠しマイクで収録。情報を提供したのです」
思わぬ証拠を手に入れたことで、米連邦捜査局(FBI)は、数年前から米国の金融機関を通して金の流れを追跡捜査していたのだ。
「五輪開催地が約100人のIOC委員による投票で決まるのに比べて、サッカー界の重要案件は、わずか25名のFIFA理事会メンバーで決定され、巨大な利権と権限を握っています」(スポーツライター)
FIFAの収入源は、W杯関連の放送権などで、11年からの4年間で57億1800万ドル(約7000億円)。このFIFA帝国に17年間君臨したのはブラッター会長(79)だが、現在まで捜査対象に含まれていない。
しかし今回の逮捕は「金まみれの独裁者」陥落への始まりと見られている。スイス検察当局は、18年ロシアと22年カタールに決まったW杯の招致を巡って、不正やマネーロンダリングの疑いがあるとして、FIFA本部を家宅捜索して書類などを押収したのだ。
「この招致について、過去にも贈収賄の疑惑がありました。FIFAは12年に米国出身の元検事に調査を依頼したのですが、昨年、調査結果の公表を拒否。『重大な違法行為はなかった』と声明を出して幕引きした前科があります。ブラッターの側近を逮捕して、逃げられない証拠を固める狙いがあるようです」(外信部記者)
事件後も、FIFAの広報担当者は記者会見で、
「W杯開催地選定をやり直す予定は、現時点ではない」
と述べている。だが、スイス当局は18年と22年W杯開催地の決定について、すでに刑事手続きを進めており、“やり直し”の可能性もささやかれている。
「W杯が開催される6月のカタールは猛暑。選考時から試合はできないと言われていましたが、FIFAは今年3月に前代未聞の11月開催を発表しました。その時期に欧州各国はリーグ戦があり、開催に不満を漏らしていた」(スポーツ紙記者)
28日、渦中のFIFAでは、会長選挙が行われ、ブラッター氏が再選。この一件で会長辞任を突きつけた欧州サッカー連盟会長のプラティニ氏は、
「再選されれば欧州はFIFAから撤退する」
と鼻息も荒く、カタールW杯開催を覆す交渉を始めると見られている。
実は、そこで急転しているのが、「22年日本W杯開催」案だという。
「日本は22年開催に立候補していましたが、落選しました。02年の日韓W杯を経験して運営ノウハウはあるし、スタジアムも整っています。10年の南アフリカW杯の時にも、治安の悪化で開催が不可能になった場合、代替候補地として日本があがっていました」(前出・スポーツライター)
“タナボタ開催”の可能性を文部科学省のスポーツ・青少年局に聞いた。
「開催国がどこになるのか、私たちにはまだ情報がないため、どうなるかわかりません」
こぼれ球をゴールに押し込めれば、アディショナルタイムでの逆転開催もあるゾッ!