「情けない主演だったかもしれませんが、みなさんのおかげで務め上げさせていただいたことを感謝します」
大学病院を舞台にしたドラマ「医師たちの恋愛事情」(フジテレビ系)のクランクアップで、俳優の斎藤工はこんなふうに謙虚な感じで挨拶した。
今回は石田ゆり子との共演だったが、昨年の「昼顔」(フジテレビ系)では上戸彩との濃密シーンも話題となるなど、いまやもっとも売れっ子のイケメン俳優の一人である。もちろん世の女性をそのセクシーさでメロメロにしているからだが、一方で、冒頭の挨拶で見られるような態度が、男性の芸能関係者にも一目置かれているという。芸能プロの男性マネージャーが振り返る。
「まだブレイクする前の4、5年前に都内で開かれた有名芸能プロ主催のパーティでのことです。そこには斎藤も出席していたのですが、その頃の斎藤は新宿の地下格闘場を舞台にした深夜ドラマ『クロヒョウ 龍が如く新章』(TBS系)などの演技で一部にファンがいた程度で業界内でもそれほど有名じゃなかった。パーティにいた押切もえさんが近寄って『一緒に写真を撮って』なんて言っていましたが、最初は斎藤も女性のモデルかと思いましたよ。というのも、斎藤はボルサリーノを目深にかぶっていたんですが、とにかく細くて華奢な感じだったんです」
このマネージャーは、とにかく芸能人には名刺を配っておこうという程度で近づいてみると、男だったので驚いたという。
「でも、当時からとても謙虚で好感が持てましたよ。驚いたのはその後。それから数年たったあるイベントでのことですよ。もう彼は売れっ子でしたが、多くの女性ファンが写真を撮らせてくれと彼に近づいても『おお、いいよ』という感じで応じ、男性が相手でも気さくに写真撮影に応じていました。普通はブレイクするとマネージャーが寄ってきて、撮影させないようにするものですがそれが全然ない。私が声をかけると、数年前に一度挨拶しただけなのに『ああ、あの時の!』という顔をして挨拶してくれました。本当に覚えていたかどうかは別として、なかなかいい奴じゃないか、と思いましたよ」
イケメンでありながら、時にはCM絡みで、かぶりものも厭わない。そんな斎藤だが、その人気の秘密がうかがえるのである。