7月21日発売の週刊朝日にて「自民党は器が小さいですよ」と語るなど、反自民党・反安倍の旗幟をますます鮮明にしている制服向上委員会。一部のマスコミからは、政治問題にも積極的に発言するアイドルグループとしてもてはやされているが、当のアイドル業界ではどのような位置づけなのだろうか。
「アイドル業界ではもはや、制服向上委員会をアイドルとして捉えている人はいないでしょうね。むしろ、同じ“アイドル”という括りで語られるのは迷惑だと感じている人も少なくないはずです」(アイドル誌ライター)
この言葉を裏付けるように、毎日のように開催されている様々なアイドルフェスで、制服向上委員会の姿を見ることはない。彼女たちの活動は自分たちの主催イベントか、もしくは反原発系や反安保法案などのイベントに限られているのだ。
そういった自主独立路線が決定的になったのは、2011年夏に巻き起こった「フジロック」を巡る騒動が原因のひとつだろう。これはフジロック出演が決まったと発表したものの、その後、スポンサー企業が脱原発の歌に反対したので出演できなくなったと表明。「ごめんなさい。そして悔しい」とのコメントでネットが炎上したものだ。
当初はフジロック主催者やスポンサー企業を糾弾する声も多かったが、間もなく「そもそも出演の話なんて最初からなかったのでは」という疑問の声があがり始めた。フジロック主催者は一切のコメントを出さず、やがて制服向上委員会の代表者がフジロック関係者と支持者に向けての謝罪メッセージを発表するに至ったのである。
「この一件で制服向上委員会の運営は、アイドル業界や音楽業界の信用を失う結果となりました。日本最大級の音楽フェスであるフジロックを巻き込んでしまったことが、大きな痛手になったのです」(前出・アイドル誌ライター)
そして現在では独自路線を貫いているわけだが、実は昔から反自民党だったわけでもない。2012年にはTPP反対を訴え、「野田・悪魔・TPP」という歌を発表。「公約ダメ 政策ダメ 内閣ダメ 全てダメ」と強烈な歌詞で民主党政権を糾弾していたこともあるのだ。
「結局、アイドルだと思って見るから異様に感じるだけで、似たような活動をしているバンドや劇団は珍しくありません。市民活動家が運営する“歌う女の子劇団”だと思えばシックリくるんじゃないでしょうか」(前出・アイドル誌ライター)
安保法案が落ち着いたら、次は何に噛みつくのか、見ものである。
(金田麻有)