し~のっ~はっら~しんっいっち! 今年の12月31日、アノ巻き舌のリングコールがお茶の間で聞けるかもしれない。フジテレビが大みそかの「格闘技特番」を復活させるというのだ。超ビッグカードまで浮上した仰天プランをスッパ抜く。
フジテレビ関係者が明かす。
「年末の格闘技中継は局の重要課題。そのため2年ほど前からプロジェクトチームを立ち上げて、K-1の流れをくむ新しい格闘技イベントの開催に向けて動きだしていたのです。実は昨年末にも実現直前までコトが運んだのですが、出場選手の折り合いがつかずに頓挫。結局、土壇場の11月になってアニメ映画の放送を発表した経緯があります」
民放各局が「打倒紅白」を掲げて目玉番組をぶつける大みそか。フジが昨年末に放送した「劇場版ワンピース」の視聴率は3.3%。前年は東京五輪関連の特番「祝!2020東京決定SP」もわずか2%だった。大みそかの“数字”は、近年のフジの低迷を象徴していると同時に、浮上の鍵を握っていると言っていい。
「過去の成功が忘れられない上層部は、今年こそはと現場にハッパをかけている」(前出・関係者)
格闘技人気のピークは03年末。「ダイナマイト!!」(TBS)が、元横綱・曙VSボブ・サップという世紀の一戦を中継し、瞬間視聴率43%を叩き出した。フジも同年から3年連続で「PRIDE男祭り」をぶつけ、05年末には民放トップの17%を記録した。格闘技ライターが語る。
「その翌年、PRIDEの運営会社と暴力団のつながりがメディアで報じられると、フジは同イベントから撤退。08年には大会運営に深く関わったフジの幹部社員K氏が海外支局に異動させられてしまったのです。K氏は、K-1に立ち上げ当初から関わるなど、総合格闘技を人気コンテンツに成長させた立て役者だけに衝撃でした」
そのK氏も4年前に帰国。現在、スポーツ関連部署で要職に就く彼こそが、今回の格闘技特番のプロジェクトリーダーだという。
暴力団との黒い疑惑で一時は格闘技から身を引いたフジ。だが、背に腹はかえられず、K氏に特番復活を相談したとの見方が強い。
「K氏はフジで格闘技番組が打ち切りになってからも、K-1関連の会合に顔を出し、『絶対に地上波で復活させます』と声を上げていた。それほど“格闘技愛”に満ちた人物。また、帰国後は多くのスポーツバラエティ番組に携わったことで、柔道界や角界との親交を深めていった」(前出・格闘技ライター)
大会の中継にあたり、K氏がメインイベンターとしてリストアップしたのが、柔道五輪銀メダリストの篠原信一(42)だという。
「篠原さんは非公式ながらもいまだ現役を公言している。柔道家に引退はないと。多くのフジの番組に出演するなど、タレントとしてバックアップしてもらった経緯もあって、むげに断れないでしょう」(前出・関係者)
篠原の現役本格復帰となればインパクトはデカい。そして気になるのは対戦相手だ。
「K氏は朝青龍ともパイプがあり、10年の引退直後から熱烈なラブコールを送っていた。また、“人類最強の男”元PRIDE王者のヒョードルが、7月に入って現役復帰を表明したのも不気味に感じます」(前出・格闘技ライター)
フジと格闘技といえば、7月18日に開催された格闘技イベント「巌流島」の放送ドタキャン騒動が記憶に新しい。当初CS放送でフジが中継予定だったが、大会2日前になって突然、中止を発表。同イベントの広報部長である谷川貞治氏は会見でこうボヤいた。
「フジは12月31日に別の格闘技団体の試合を地上波で放送することが決定しているという話を聞いた」
はたして、「篠原VS朝青龍」のドリームマッチ実現はあるのか。フジに問い合わせたところ、
「年末の編成に関しては何も決まっておりません」(企業広報部)
格闘技ファンは吉報を待つのみだ。