家族間での揉め事が引き金でトラブルを起こす事件が、昨今ニュースや新聞を騒がせている。
「我が家だけは大丈夫」と、高をくくってはいけない。たとえば、幸せだった家族の間に、ある日突然、骨肉の争いを巻き起こしかねないのが「遺産相続問題」だ。
しかし、「いやいやウチには大した財産なんてないので、自分には関係ない」なんて思ってはいないだろうか。
ある機関が「遺産の相続を経験したことがある人」を対象に、相続に関する調査をしたところ、実に3割の家庭が、なんらかの遺産相続トラブルを起こしていることが発覚。しかもその内の5%もの人が「大きな問題が生じて大変だった」と後悔しているのだ。
実際にどのような問題が生じているのか見てみると、最も多かったのは「遺産分割の話し合い・協議」で、約6割の人が経験。一方で相続税の問題で揉めたというケースは、思いのほか少なく、わずか15%程度なのである。
これはつまり、問題が起きているのは相続税が生じるような大きな遺産相続のケースではなく、むしろそうではない、相続金額1000万円以下と答えている普通の家庭でのケースに、意外や多いことが伺えるのだ。
こうした思わぬ相続問題の起きる原因として考えられるのが、庶民ほど事前に備えをする人が少ないことにある。今回の調査でも、およそ7割の人が「時期が早い」「家族の仲が良いので問題ない」「話しにくい話題である」などといった理由で、相続の話をずっと避け続けてきたことがわかった。
では、我々はこの機会にいったいどのような準備をしておく必要があるのか。弁護士、司法書士といった専門家に聞くのもひとつだが、イマイチ敷居が高い。そこで身近な、りそな銀行・遺言サポートオフィスに解決策を聞いてみた。
「ご存知ない方も多いですが、りそな銀行は信託銀行のライセンスがあり、信託銀行として遺言信託や教育資金贈与信託など、信託を活用した相続に関するご相談を日本全国の支店で数多く受けています。円満相続を実現するためには、こうした信託銀行などの第三者の立場の人間を交えて、生前にご家族と話し合いをしておくことがとても重要なんです」
今、話題の教育資金贈与信託など、「生前贈与」の使い方によっては、子ども夫婦のライフプランにも大きな影響をあたえることになる。こうした新聞紙上をにぎわす話題をきっかけに、一度、銀行員を交えて、将来の相続問題について話し合いをしてみてはどうだろうか。