イギリスで開かれている体操の世界選手権の男子団体で、日本が37年ぶりとなる金メダルを獲得。オリンピックも含めると、日本が金メダルを獲得したのは2004年のアテネオリンピック以来11年ぶりとなる。
その原動力となったのが、日本代表チームのエース、内村航平だ。その彼が所属するコナミスポーツのプロフィール欄に「目標の選手」として名前を挙げる「藤巻駿」という人物をご存知だろうか。かなりの体操好きでも知らない人が少なくないこの名前。実は漫画の主人公なのだ。
94年から00年まで少年サンデーに連載された「ガンバ!Fly high」は、逆上がりもできない主人公、藤巻駿が金メダリストへと成長する体操マンガだ。
「この漫画は、あの五輪金メダリスト森末慎二が原作なんです。自身の引退後、体操人気にも競技人口にもかげりの見える状況を何とかしたいと、森末自身が企画して出版社に企画を持ちこみ、『森末が原作を書くなら』という条件付きで実現させました。『原作といってもちょっとしゃべって誰かがまとめてくれるのかと思ったら、そうじゃない。書いたこともない原作を自分で全部書かなければいけなかった』と森末も語っていました」(漫画誌編集者)
そんな悪戦苦闘の末に生み出した一冊のマンガが、内村航平という偉大な選手を誕生させたのだから、森末の功績は大だろう。