テリー 昌さん自身の来年はどうなるんですか。それこそ長い間ユニホーム人生だったわけですけど。
山本 まずは、名古屋を拠点に野球解説者として活動させていただけることになりました。あと、東京でも仕事をいただけそうなので、そちらも頑張りたいですね。
テリー 今日初めてお話をさせていただきましたけど、おしゃべりもすごくキチンとしてるし、オファーが殺到してるんじゃないですか。
山本 いや、野球の解説って難しいんですよ。この前、日本シリーズで初めてやらせていただいたんですけど、僕、野球のこと全然知らないんです。
テリー またまた、そんなはずないでしょう(笑)。
山本 いえ、本当なんですよ。例えば、外野が前に出たとすると、その理由が瞬時に理解できないんです。その状況をよく見てやっと、「あ、今ランナーが二塁にいるのか」みたいな感じなので。
テリー そうか! 投手と違う目線や考えで動いているから‥‥。
山本 そうなんですよ。だから僕は、ピッチャー以外は本当に野球素人で。でも、逆に「僕の後ろで32年間、みんなあんなに動いてくれていたんだな」と、あらためて感謝しましたね。
テリー 俯瞰で見ないと、わからないこともたくさんありますからね。
山本 そういったことをどうやって理論的に、わかりやすくお伝えできるか。これからしっかり勉強していかないといけないですね。
テリー 今、注目している選手はいますか?
山本 たくさんいますが、あえて1人の名前をあげるなら大谷翔平選手です。彼は世界一の投手になる可能性がありますよ。
テリー いいですねぇ、世界一!
山本 少なくとも僕は、日本のプロ野球史上、最高の素材だと思ってます。
テリー それはどういうところが?
山本 フォームも投げるボールも、僕から見たら完成度はまだ6割もいってないんですよ。だから今比べれば、田中マー君(将大)やダルビッシュ(有)選手のほうが上ですけど、このまま順調に伸びて完成形に近づけば、世界一のピッチャーになれる。そのぐらい夢のある選手ですね。
テリー 彼はバッティングもスゴいじゃないですか。そうすると昌さんとしては「もっと比重をピッチャーに置いてくれ」と思う部分もあるんじゃないですか?
山本 彼の二刀流は、全然否定しませんね。投げれば160キロ、打てばセンターやバックスクリーンにボンボン放り込むんですから。これはすごいですよ。
テリー そりゃ確かにそうだ(笑)。
山本 ただ、スタミナ不足を指摘されることもあるので、もしかしたら専念したほうが成績は上がるのかなと思いますけど‥‥やっぱり「やめろ」とは言えないですね(笑)。
テリー これはもう少し先の話になるかもしれませんが‥‥将来的にはもう一度ユニホームを、という思いはありますか?
山本 そうですね。解説者として野球を勉強し直せたな、と思えたら、もう一度着てみたいですね。
テリー その時は、やはりドラゴンズですか?
山本 いや、ドラゴンズだけでなく、プロ野球の発展のために必要としてくれるところがあればどこでも行きますよ。皆さんのおかげで得ることができた32年間の知識と経験を後輩たちに伝えていくことが、これからの僕の役割だと思ってますから。
◆テリーからひと言
話していると野球に対するピュアな姿勢がホントに伝わってくるね。今度はぜひ中日ドラゴンズの監督としてお会いしたいです。ご活躍を期待しています!