●ゲスト:高木豊(たかぎ・ゆたか) 1958年、山口県生まれ。中央大学卒業。80年、ドラフト3位で横浜大洋ホエールズに入団。83年から4年連続で打率3割を記録、84年に56盗塁で盗塁王を獲得。85年には1番高木豊、2番加藤博一、3番屋鋪要の俊足打者を並べた「スーパーカートリオ」として一躍有名に。94年、日本ハムファイターズに入団するも同年オフに現役引退。野球解説者やタレントとして活躍後、2001年に横浜DeNAベイスターズの一軍内野守備・走塁コーチに就任。02年より野球解説者の活動を再開。04年にはアテネ五輪日本代表の内野守備・走塁コーチに就任。12年、中畑清監督(当時)の招聘により、横浜DeNAのヘッドコーチに就任。翌年からは一軍チーフ兼打撃コーチを担当し、同年10月に退団。14年より野球解説として三たび活躍中。現在「プロ野球ニュース」(フジテレビONE)にレギュラー出演中。
横浜大洋ホエールズ時代は「スーパーカートリオ」の一人として、現役引退後は野球解説者、タレントとして活躍中の高木豊。いよいよプロ野球開幕の時を迎え、そわそわしっぱなしの天才テリーだけに、さっそく今季の展開予想と巨人優勝を巡る、熱いトークの幕が開けた!
テリー 今週末からプロ野球が開幕しますね。今日はいろいろ、高木さんにお話をうかがいたいんですよ。
高木 フフフ、どうせ巨人の話でしょう?
テリー いやいや、今年は本当にいろいろ気になるんですって。まず、高木さんの今季のセ・リーグ優勝予想はDeNAだそうで。
高木 ええ。沖縄のキャンプでセ・リーグ各チームを見てきましたが、その時点で勢いを感じたのがDeNAだったんです。ラミレス監督に話を聞くと、今季はメンバー固定でいくとのことでした。安定したチームは強いと思いますね。
テリー 確かに、昨年の結果を見てもDeNAは強いと思うんですが、僕はやっぱり巨人が優勝だと思っているんですよ。
高木 毎年同じこと言ってるじゃないですか(笑)。
テリー まあ、そうなんですけど(笑)。「30億円補強」なんて騒がれていますけど、高木さんから見た現在の巨人の印象は?
高木 テリーさんが演出する時、出演者が多いと誰を使うか迷いませんか? 今季の巨人のマイナス要素は、まさにそこだと思います。
テリー ああ、補強イコール人員の増加ですからね。
高木 マシソンにマイコラス、カミネロと投手陣は厚いですが、一方で内野・外野が定まらないのが気になります。例えば、去年から入ったクルーズあたりは、使いどころを迷っているところじゃないですかね。
テリー クルーズみたいなレベルの選手でも使えないっていうのは、ちょっと考えられないんですけど。
高木 選手を信じ切ってメンバー固定でいくDeNAと違って、これは厳しいと思いますよ。選択肢が多いと、その振り分けが高橋監督の悩みになりますし、一方で出られない選手にしてみれば「何で俺が出られないんだ?」と不満が高まっていく。そういう状況が続くと、チーム全体がダメになっていきます。
テリー むしろチームのメンタル面こそが大事だと。
高木 ええ。僕は結局のところ、勝負事っていうのは背水の陣を敷くのが一番だと思うんですね。自分の経験からも、ギリギリの環境から出てくる覚悟や底力が勝ちを取りに行く決め手になると思います。
テリー 僕、今年の宮崎キャンプを見学した際に、高橋監督に「30億補強なんてされるとキツいんじゃないか」って、聞いてみたんですよ。すると、「こういうプレッシャーは去年もあったから」と。2年目も、なかなかに大変ですね。
高木 でも、高橋監督は表情が格段に変わりましたね。昨年のキャンプ時はポジション外の指導で難しそうな顔をしていましたけど、今年は自分が監督としてどうあるべきかをつかんでいますから、表情も柔らかいし、余裕を感じましたね。
テリー おお、じゃあ今年はいけそうですか?
高木 監督という意味では、僕は高橋監督にいちばん期待しているんですよ。DeNAを追っての2位は、間違いないんじゃないでしょうか。