昨年12月29日に有明コロシアムで「ボクシングフェス2015~井上尚弥&八重樫東ダブル世界戦~」が行われ、八重樫は壮絶な打撃戦、井上は天才的なKOで、両選手ともにみごと勝利を収め、ボクシングファンを熱狂させた。そんな中、その熱戦に水を差したとファンたちが口を揃えて批判したパフォーマンスがあった。
そのパフォーマンスとは、同イベントのハーフタイムショーだけでなく、メインイベントの井上の試合直前にトドメのライブパフォーマンスまで披露した、ももいろクローバーZのステージのこと。八重樫の熱闘にヒートアップしていた視聴者は口をあんぐり、「世界戦の空気をぶち壊した」「完全にKYだろ」「ボクシングをナメるな!」とKOパンチ並みのバッシングが集中した。
「テレビ中継で放送されたのは井上の試合前の1曲だけでしたが、中継したフジテレビがももクロファンからの視聴率を期待したことは明らか。関係者はボクシングを観ない人たちにも試合を観てもらいたいと理由をあげ、音楽とボクシングの共演で会場もさらに盛り上がると思うと説明していましたが、案の定、その期待を裏切る化学反応を起こしてしまったようです。ももクロが披露した楽曲も世界戦の応援ソングにしては重みがなさすぎましたし、このパフォーマンス中は憤慨してチャンネルを替えていたボクシングファンが圧倒的に多いようです」(週刊誌記者)
また、ステージの流れも最悪だった。負ければ引退の八重樫が3階級制覇という偉業を成し遂げた直後に、まるで試合がようやく終わってくれたとばかりに場内にももクロファンのペンライトが至るところに光る始末。「世界タイトルマッチを何だと思ってるんだ」とボクシングファンが拳を握り締めるのもうなずける異空間となってしまったのだ。
「八重樫と井上のパフォーマンスは、2015年の日本ボクシング界の試合の中でもベストの2つでした。『今日は2勝1敗』『最高の八重樫、究極の井上、史上最悪のももクロ』という文句がネットで躍ってましたね。そのとおりだと思います」(スポーツグラフィック誌・編集者)
ももクロには紅白卒業騒動などのリベンジの意味もあったと思うが、どうやら彼女たちにリターンマッチの可能性はなさそうだ。
(金子良太)