新球団・横浜DeNAベイスターズが苦戦を強いられている。11試合を終えて3勝7敗1分け。セ・リーグワーストタイの4試合連続完封負けを含む6連敗。屈辱のノーヒットノーラン負けなど寒すぎる貧打ぶりで、「シーズン100敗」にも迫るのではと危惧する声すら聞こえてくるほどの“ひとり負け”だ。
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「開幕前から打撃陣の迫力不足は指摘されていました。ラミレスは加入したものの、主砲だった村田修一は巨人に移籍。球界参入の時期がずれ込んだため、補強を模索する時間も短かった。首脳陣も開幕からある程度厳しい戦いになることは覚悟していました」(スポーツ紙担当記者)
だが、実際に貧打でズルズル連敗する現実を目の当たりにすると、気持ちの面でこたえるのだろう。中畑清監督からも、持ち前の明るさが消えてきているという。6連敗を喫した10日のヤクルト戦後は、報道陣に対し、涙をにじませながら、
「ファンの皆さんにも申し訳ないし、限度があると思う。全て私にぶつけてください」と話すなど意気消沈。高木豊ヘッドコーチも「監督はファンの声を全部受け止めて気にしてしまうタイプだから心配」と気遣っていたほどだ。
寝つきも悪くなったらしく、連敗中は「飲まないと寝られない」が口癖。自宅のある東京・調布で長男が営むホルモン料理店で杯を重ねているという。また、ベテラン野球記者たちもカラオケにつきあって中畑監督の慰撫に努めている。
「一見明るいタイプに思われますが、現役時代は、スランプになると、体中に神経性のジンマシンができるなど繊細な一面もある。巨人打撃コーチ時代は、打線不振の責任を感じて円形脱毛症になったことも。このまま横浜が負け続ければまたなるんじゃないかと、各社のカメラマンはひそかに狙っています」(前出・担当記者)
現場が苦しんでいる一方で、フロントも観客動員に躍起だ。5月1日から行われる本拠地6連戦で「全額返金!? アツいぜ! チケット」なる企画を実施する。ベイスターズが負けた場合は、チケット代全額までを上限としてキャッシュバックするというのだ。
「今年から横浜スタジアムとの契約で、新規広告の営業権は球団が所有できるようになった。だから、観客動員をアップさせて球場に広告を出す企業を増やしたいのです。一部選手からは『タダになるから負けちまえ、なんていうヤジが聞こえてきたらやりきれないな』とボヤキ声も聞こえてきますが‥‥」(夕刊紙デスク)
もっとも、浮上の目もないわけではない。昨季3・81で12球団ワーストだったチーム防御率は2点台を維持しており、先発陣が大崩れすることもない。ベテランの森本稀哲も復活し、11日現在、首位打者をキープしている。
11日には、雨天コールドながら7-0とヤクルトを一蹴している。
「常勝球団・中日からFA移籍してきた小池正晃は『横浜の若手は野球の話が足りない』と指摘しています。中日では、試合前の練習やアップ中に『こういう場面が来たら、こうしよう』とか『昨日のあの場面はこうすべきだった』とかいう会話が日常的になされていたそうです。その辺りが今後の課題でしょうね」(前出・夕刊紙デスク)
監督の心が折れる前にチームの浮上なるか?