今年で16年目に突入した水谷豊(63)主演の人気ドラマ「相棒」(テレビ朝日系)。新パートナーに反町隆史(42)を迎えて華々しくリニューアルしたが、視聴率はパッとしない。水谷のイラだちは、脚本チームに向けられているという。
昨年10月に放送された「シーズン14」の第1話は18.4%の高視聴率をマークしたものの、以降は徐々に数字を落とし、第8話(12月9日放送)は12.9%と急落。これは過去8年間のワースト記録だ。ドラマ解説者の木村隆志氏が人気低迷の原因を探る。
「最大の問題点は前シリーズの暴走的な結末。成宮寛貴(33)演じる3代目相棒が実は連続暴行犯で、主人公の杉下右京に逮捕されるという幕切れに、大半の視聴者はいまだに納得していません。ドラマに厚みを持たせていた捜査一課の面々とのやり取りが減ってしまったのも視聴者離れの一因でしょう」
ドラマの低空飛行に危機感を募らせているのが他ならぬ水谷だ。テレ朝の関係者が証言する。
「水谷さんは脚本に口を出すことで有名。シーズン13の“衝撃の結末”もマンネリを打破するために水谷さんが発案したと言われています。相棒役のキャスティングも水谷さんの意向が最優先で、実は今回希望していたのが仲間由紀恵さん(36)。スケジュールの都合でシリーズ初の女性相棒誕生とはなりませんでしたが、水谷さんは『由紀恵ちゃんじゃないのか‥‥』と、最後まで未練タラタラだったようです」
こうした水谷の介入で、スタッフの間でも「相棒」離れが進んでいるという。ベテランの放送作家が語る。
「昨年に『23回橋田賞』を受賞した輿水泰弘さんを筆頭に、人気脚本家が持ち回りでシナリオを担当してきましたが、水谷さんから『ここはこうしたほうがいい』と書き直しを要求されることも多く、これまでドラマを支えてきた主要メンバーが次々と別のドラマに“移籍”してしまったんです」
謎解きや犯人探しが醍醐味の刑事ドラマだけに、脚本家チームの大量離脱は大きな痛手だ。
「犯人の動機が曖昧な回があったり、人工知能が事件捜査に加わるなどのとっぴな設定が目立ちます。平均視聴率が20%を超えた10年の全盛期と比べると、脚本の完成度は明らかに低い」(前出・放送作家)
迷走する台本に水谷もオカンムリのようだ。ある放送回のシナリオに目を通した水谷は、
「これはムチャじゃないか‥‥」
こうボヤいて現場を凍りつかせたという。
「局内では反町さんの演技が高評価で、水谷さんは自分が食われることを危惧している様子。そのせいか、反町さんの見せ場が多すぎる脚本は、ダメ出しを受ける可能性が高いそうです」(前出・放送作家)
前出の木村氏は、テレビ朝日の編成にも問題があると指摘し、こう話す。
「10話そこそこで終わる1クールならまだしも、長年2クールの放送を続ければネタ枯れは避けられません。それに加え、昼間に旧シリーズをガンガン再放送しているのも、視聴者の飽きを早めているように思えます」
幾多の難事件を解決してきた“右京さん”の巻き返しに期待したい。