今月10日に死去したデヴィッド・ボウイが家族へ残した遺産は1億3500万ポンド(約229億円)にも上るようだ。
1970年代には破産寸前の状況にまで追い込まれていたデヴィッドだが、1997年に自身の作品の10年間に渡るロイヤルティ収入を証券化した債権「ボウイ・ボンド」を発行して後に自分の手元に戻し、それにより元マネージャーから最もヒットした数曲の権利を買い戻すことに成功していた。
この画期的なボウイ・ボンドはカリフォルニアを拠点とする銀行マンのデヴィッド・プルマン氏に開発され、プルデンシャル生命保険がデヴィッドのアルバム25枚に対するその権利に対して3億3700万ポンド(約571億円)を投じる結果となった。プルマン氏は「この売買により、ボンドは完済しましたし、ボウイ氏はその後全ての権利を保持しました」「ボウイ氏は金銭的に抜け目なく、自身の家族を守ることになる物事を立ち上げる先見の明を持っていました」「ほとんどのアーティストたちが短期間で終わり、権利を手元においておきません。ボウイ氏は自身の伝説を維持することができたのです。彼の作品は彼の子供のようなものでしたから」とデイリー・メール紙に話す。
2007年に満期を迎えたボウイ・ボンドは、7.9パーセントの利子を配分した。
さらにプルマン氏は、このボウイ・ボンドを発行したのはデヴィッドがまだ50歳の時であったが、それが自身のいつの日か迎える死をすでに考慮してのことだったとして、「このボンドの話を私たちがしていたのは、ちょうどボウイ氏の50歳の誕生日を迎えようとしているときでした。この節目の誕生日を迎えた後、整理したかったのでしょう」「彼は比較的若い時から財産問題について考えていました。過去の全ての作品からの利益を自身の財産に反映したかったのだと思います」「彼の計画は、自身が死を迎えたときに財産がすべて家族と受取人の手に渡るようにすることでした。彼が残した全ては、家族のために残されるようにしてあったのです」と推察した。
デヴィッドには2番目の妻イマンとの間にもうけた娘アレクサンドリア(15)、元妻アンジー・ボウイとの息子ダンカン・ジョーンズ(44)の2人の子供がいる。