タレントと事務所を守るためなら、どんなことでもする──メリー氏の豪腕ぶり を世に知らしめた最初の事件 といえば、中森明菜(50)を巡るスキャンダルだろう。
当時、明菜は近藤真彦(51)と交際を続けていたが、結婚を熱望していた明菜に対し、近藤の熱は徐々に冷めていく。88年には、近藤が明菜の最大のライバル・松田聖子(53)とアメリカで密会し、キス写真が流出する事態となる。ショックを受けた明菜は、マッチの自宅マンションで手首を切った。
「この時、真っ先に部屋に駆けつけたのが、メリー。マッチを守るため、ここから暗躍が始まります。メリーは親身に相談に乗りながら明菜を説得。結婚するためにと、明菜を独立するように誘導します。さらにこの年の大みそか、『婚約会見をするから出てきてほしい』と明菜を呼び出しました。会場には金屏風まで用意されていたにもかかわらず、婚約発表ではなく自殺騒動についての謝罪会見だった。一説には会見直前、メリーが明菜に対して『マッチの将来のために、自殺は近藤さんとは関係なかったと言いなさい』と詰め寄ったと言われています。明菜は完全にハメられ、その後の迷走ぶりはご存じのとおりです」(ベテラン芸能記者)
まさに今回、SMAPが強いられた“公開処刑”を彷彿させる残酷な裏工作。だが、「豪腕」は、事務所を裏切って辞めていったタレントに対しても容赦なく振るわれた。94年に独立した田原俊彦(54)や95年独立の諸星和己(45)などは、ジャニーズによって仕事を干し上げられた典型だろう。
「いずれも一世を風靡したスーパー・アイドルでしたが、独立後は仕事が激減しています。最大の理由はジャニーズが所属タレントとの共演NGの方針を出したため。実質、『あいつを使うなら、ウチのタレントは出さない』と宣言するようなものです。ジャニーズ頼りのテレビ局が逆らえるはずがない。こうした工作もメリーの指揮だったと言われています」(テレビ局関係者)
田原はつい最近のイベントで「僕の場合は諦めていたら、すでに巨大組織ジャニーズ事務所を辞めた時に、たぶん完全に消されてた。木っ端微塵になって、今はああ、いたなって立場になりかねなかった」と語っているが、いまだにジャニーズのタレントとは共演できていないという。このことからも、一度でも自分を裏切った人間は絶対に許さないという徹底ぶりがよくわかる。